白クマ
日医白クマ通信 No.1421
2011年5月17日(火)


定例記者会見
「2012年度の診療報酬・介護報酬同時改定に関する日医の方針」
―原中会長

定例記者会見


 原中勝征会長は、5月12日の定例記者会見で、日本医師会として、2012年度の診療報酬・介護報酬同時改定の見送りを求める方針を示し、近日中に、細川律夫厚生労働大臣に申し入れを行なう予定であることを公表した。同会長は、東日本大震災の被災地における医療を取り戻すことが優先されるべきであると改めて主張した。

 会見では、まず、中川俊男副会長から、先の代議員会において、同時改定見送りの方針を示した執行部提案には代議員からの明確な反対意見はなかったが、同提案を盛り込んだ代議員会決議文の取りまとめには至らず、最終的には対応が執行部に一任された形となった経緯の説明があった。そのうえで、その後の状況、及びさまざまな意見を勘案し、あらためて執行部として同時改定を見送るとの結論を得たことから、本日の会見に至ったと述べた。

 原中会長は、東日本大震災の被災地の状況は多少落ち着いたかに見えるが、福島第一原発事故については現在も進行中であり、被害がどこまで広がるかは、全くの未知数であるとの認識を示し、政府、全省庁、すべての民間の団体が被災地の復興に向けて全力で取り組まなくてはならないとした。さらに、日医は、これまでJMATの派遣等を通じて被災地の医療支援に全力を傾注してきたが、このような非常事態のなか、「今は医療経済実態調査等を行う状況にはない」としたうえで、「『国民を守る』という政府の強い決意が必要との考えから、5つの項目について申し入れを行うことを決定した」と説明した。

 同会長は、「日医会長に就任以来、日医のような生命を守る団体は、あくまでも国民を守る医師会にならなくてはならないと再三主張してきた。正にこの非常事態の時に、我々がどういう動きをするかということが重要であり、医療費等を考える以前に、被災者を救うことが、まず第一である」と述べ、こういう事態に、政府、官僚は、まず、被災地の復興に取り掛かるべきということが、この申し入れの本筋であると強調した。

 申し入れ文書は以下のとおり。

「2012年度の診療報酬・介護報酬同時改定についての日本医師会の申し入れ(要請)」

日本医師会は、以下の 5 項目を国に対して要請する。

  • 2012 年度の診療報酬、介護報酬同時改定を見送ること。

  • 今年度の医療経済実態調査、薬価調査・保険医療材料価格調査を中止すること。

  • 介護報酬の改定は見送るが、介護保険料の決定のために必要なことは行なうこと。

  • 不合理な診療報酬、介護報酬については、留意事項通知や施設基準要件の見直しなどを行なうこと。

  • 必要な医療制度改革は別途行なうこと。

◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)
◇関連資料はこちら⇒PDF(21KB)


  日本医師会ホームページ
http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association.
All rights reserved.