白クマ
日医白クマ通信 No.1512
2012年3月5日(月)


定例記者会見
「公衆衛生・がん対策委員会答申」について
―保坂常任理事

定例記者会見


 保坂シゲリ常任理事は2月29日の定例記者会見で、公衆衛生・がん対策委員会が、2月20日に坂本哲也委員長(秋田県医師会副会長)から原中勝征会長に提出した答申について報告した。本答申は、原中会長からの諮問「特定健診、がん検診等の受診率の向上」を受けて、前期の公衆衛生委員会とがん対策推進委員会が統合した委員会として、諮問に応えるべく議論する中で、あまりにも内容が多岐にわたることから、1.特定健診を含めた今後の健診のあり方、2.日医としてのがん対策への取り組み、3.がん地域連携クリティカルパスへの取り組み―の3つのワーキンググループ(WG)を設置し、2年間にわたり鋭意検討を行った結果、取りまとめたものである。

 答申は、本編とWG報告で構成され、本編の内容は、はじめに、(1)特定健診、(2)がん検診、おわりに―からなっている。(1)、(2)は、それぞれについての問題点及び問題解決のための方策をまとめており、巻末にWG報告がある。

 巻頭の提言では、「1.国・行政の責任を明確にして制度の見直しを図り整備を行うこと」「2.科学的根拠と精度管理に基づく実施体制を確立すること」「3.健(検)診事業への国民の積極的参加へ意識の高揚を図ること」「4.生涯を通じた健(検)診と健康管理・健康づくりを行うこと」を日医として推進するよう求めている。

 同常任理事は、答申の内容に関して、受診率低迷の問題点とその解決策の検討の結果、(1)の特定健診については、この制度は腹囲の重視など、制度そのものに問題があり、健診制度の在り方そのものを検討し、医療費削減の観点からではなく、受診者にとって魅力ある健診制度とすれば自ずと受診率が向上するとしていること、(2)のがん検診については、予算や、市町村・職域・人間ドック等検診システムの複雑さの問題、対象者の台帳の整備、受診勧奨や、受診しやすい環境の整備等を挙げ、報告していること―等を説明した。

 最後に同常任理事は、この答申の内容について日医としても会内のコンセンサスを得ながら、会務に反映させていきたいとの考えを示し、「答申にあるとおり、国民の一生涯にわたる健康維持・増進に資するために、特定健診、がん検診等を有効なものとするよう、努力を重ねていくので、マスコミにもご協力いただきたい」と要請した。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第三課 TEL:03-3946-2121(代)
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