白クマ
日医白クマ通信 No.1513
2012年3月5日(月)


定例記者会見
日本医師会「受動喫煙ゼロ宣言」について
―保坂常任理事

定例記者会見


 保坂シゲリ常任理事は、2月29日の定例記者会見で、日本医師会「受動喫煙 ゼロ宣言」について報告した。

 同常任理事は、まず、喫煙が、肺がんをはじめとするさまざまながんだけで なく、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、脳卒中や心筋梗塞など、多くの疾患の 要因となることから、他の先進諸国に比べ、喫煙率の高いわが国において、喫 煙率の低下、受動喫煙の防止は、国民の健康を守るための喫緊の課題であると の認識を示した。

 また、日医が喫煙による健康被害から国民を守ることを目的に、平成15年3月 「禁煙推進に関する日本医師会宣言」(禁煙日医宣言)を公表したことや、平 成12年より日医会員の喫煙に関する意識調査を4年毎に継続的に実施し、医師 に対する禁煙の啓発を行ってきたこと、平成13年7月には日医会館の全館禁煙を、 平成23年1月には敷地内全面禁煙を実施するとともに、平成20年9月に「禁煙に 関する声明文」を発表していることを説明。さらに、たばこの健康被害を減少 させるための禁煙、受動喫煙防止のためのさまざまな提言を採択した世界医師 会の「タバコとタバコ製品による健康被害に関するWMA声明」(1988年採択、 2011年修正)、アジア大洋州医師会連合「アジア大洋州地域におけるたばこ規 制に関するCMAAO宣言」(2011年採択)に、日医が深く関わりこれを支持 したことなど、これまで日医が禁煙に関して積極的に取り組んできた経緯を紹 介した。

 その一方で、わが国が、「たばこの規制に関する世界保健機関(WHO)枠 組条約(FCTC)」の締約国となっているにも関わらず、完全履行を果たせ ていない現状で、政府が、職場の全面禁煙、空間分煙を事業者に義務付けるこ とで受動喫煙防止対策の強化を目指していることに言及し、そうした施策が速 やかに実行されることを願うとした。

 同常任理事は、このような状況のなか、今般、厚生労働省が示した「がん対 策推進基本計画」(素案)において、平成34(2022)年度までに禁煙希望者が 禁煙することにより成人喫煙率を12.2%とする数値目標を明記したことについ ては、日医として一定の評価をするとした上で、喫煙は喫煙者本人のみでなく、 周囲の非喫煙者にも受動喫煙というかたちで害を及ぼすことから、日医は、受 動喫煙から非喫煙者を守るために、ここに「受動喫煙ゼロ宣言」を行い、以下 の取り組みを進めていくとした。

  • 妊婦や乳幼児の家庭内での受動喫煙の防止を推進します。
  • 学校保健の場を通じて、児童・生徒にたばこの有害性などについての健康教育を推進します。
  • 医師をはじめとしたすべての医療関係者の喫煙率ゼロを目指します。
  • すべての医療機関の敷地内全面禁煙を推進します。
  • 公共的施設の敷地内全面禁煙を国や自治体に働きかけます。
  • 健診や日常診療の機会に禁煙教育の徹底を図ります。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第三課 TEL:03-3946-2121(代)
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