白クマ
日医白クマ通信 No.1519
2012年3月9日(金)


看護職員養成にかかる要望書を提出−日医

看護職員養成にかかる要望書を提出


 羽生田俊副会長は3月8日、藤川謙二常任理事と共に、厚生労働省を訪れ、看護職員養成にかかる要望書を小宮山洋子厚労大臣(代理:辻泰弘厚労副大臣)に提出した。

 要望書の中では、1.特に中小病院や有床診療所などでは、看護職員の確保が非常に困難で、病棟閉鎖や無床化へ追い込まれるケースも出ている2.「第7次看護職員受給見通し」(平成22年12月公表)では、平成24年末に約5万人の不足が見込まれている―ことなどを挙げて、看護職員の量的な確保が喫緊の課題となっていることを説明。その上で、わが国の看護職員の養成の現状については、看護師等養成所運営費補助金によるところが大きく、医師会からの多額の繰り入れによってかろうじて成り立っているが、経営面での困難に加えて、養成にかかる各種規制の厳しさから、養成を断念せざるを得ないところも増えてきており、このままでは、養成力の脆弱化が危惧されるとして、以下の9つの事項の早期の実現を強く求めている。

(1)看護師等養成所運営費補助金の増額及び早期の交付
(2)入学時の定員超過に対する地方厚生局による厳しい規制の緩和
(3)実習施設の確保及び実習指導者講習会派遣中の看護職員を看護基準の看護職員として算定することの容認
(4)母性・小児看護学実習の柔軟な対応(ビデオやIT等の教材を活用した学習も可能とする)
(5)看護教員養成講習会へのe−ラーニング導入に当たっては、集合教育は可能な限り短期間とし、受講者本人及び養成所への負担が少ない制度とする。また、現在、医療機関等に勤務している看護師が、将来教員を目指すことが可能となるよう、勤務を継続しながら講習会を受講する道を開く
(6)新築や増改築が必要な看護師等養成所に対する施設整備事業の充実
(7)看護師等養成所校舎の耐震改修費を補助金の対象とする
(8)准看護師養成所の新規開設(再開)申請に対する不利益な取り扱いをしないいよう各都道府県行政に通知を出すとともに、各種補助金の交付について、既存の養成所と同様の取り扱いとする
(9)准看護師の卒後研修体制の充実のため、地域医師会が実施する准看護師を対象とした研修会に対する補助金等の財政的支援

 当日は、羽生田副会長が要望書の内容を説明。「超高齢社会を迎えるに当って、明らかに少ないわが国の看護職員の数を少しでも増やすことにつながればとの思いから、今回の要望書を取りまとめさせてもらった」と述べ、協力を要請したのに対して、辻副大臣は、「要望書の項目は大事なご指摘ばかりであり、小宮山大臣にも必ずお伝えする。財政難の折、難しい面もあるが、その実現に向けて検討していきたい」とし、日医の要望に理解を示した。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第一課 TEL:03-3946-2121(代)


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