白クマ
日医白クマ通信 No.1559
2012年6月28日(木)


定例記者会見
「社会保障制度改革推進法案等に対する日医の見解」
―横倉会長

定例記者会見


 6月26日に、衆議院で、社会保障制度改革推進法案を含む消費税関連法案が可決された。これを受けて、横倉会長は、翌27日の定例記者会見で、同法案等に対する日医の見解を公表した。

 横倉会長は、まず、社会保障のための安定的財源の1つとして消費税があてられることについて、一定の評価をしたいと述べ、崩壊しつつある地域の医療、介護に代表される社会保障の機能強化に確実に結びついていくことに期待を寄せた。

 その一方で、日本はこれまで、「国民皆保険」を堅持してきたとした上で、今回の法案で、「医療保険制度は、『原則』全ての国民が加入する仕組みであり、給付範囲の『適正化』を図ること」とされている点について懸念を示した。そして、日医は、これまで、国民皆保険とは、すべての国民が加入し、かつ、1. 公的な医療給付範囲を将来にわたって維持すること、2. 混合診療を全面解禁しないこと、3. 株式会社を医療機関経営に参入させないこと―が重要であると主張してきたが、今回の法案が、給付範囲の縮小、国民が受けられる医療の格差拡大につながらないよう、日医としてしっかりと注視していくとした。

 更に、今後、社会保障改革の審議は「社会保障制度改革国民会議」の審議に委ねられるが、日医としては、まず、地域医療の代表として国民会議の委員として任命されることを望むとした。また、消費増税が決まった反面、高齢者医療制度をはじめとする医療保険制度改革の議論は先送りされたことから、国民や患者さんのこれ以上の負担にならないよう配慮する必要があることを主張し、患者一部負担割合が引き上げられたり、受診時定額負担の提案が復活したりすることがないようにしなければならないとした。

 同会長は、「そのうえで、しっかりと国民のみなさんが安心できる医療、介護保険制度の将来像構築に取り組みたい」と述べ、その際には、地域の実情を踏まえ、地域密着型の医療提供体制を提案していきたいとした。

◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)
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