白クマ
日医白クマ通信 No.1813
2014年10月3日(金)


定例記者会見
「個人番号カードに被保険者証番号を記載することについて」
―石川常任理事

定例記者会見


 石川広己常任理事は、10月1日の定例記者会見で、政府与党が国民一人ひとりに番号を割り振るマイナンバー制度の開始に伴い交付する個人番号カードと、「健康保険証」とを一体化する方針を打ち出していることについて、「患者のプライバシーの保護や安心の観点から単純に容認できない」との日医の見解を示した。

 同常任理事は、個人番号カードに券面番号(個人番号)を記載することについては、「健康保険証(被保険者証)等は商習慣として安易にコピーされることもあり、法で券面番号たる「個人番号」の安易な利用を禁止したとしても、そこに目に見える番号がある限り利用される状況は多々あると予想できる」とするとともに、「券面に個別性の高い番号が記載されているカードを医療現場で使うことは、患者の病歴を含めた極めてプライバシーの高い情報を個人情報と紐付けることになる危険性もある。医療機関の外来においては、診察中は受付に預けたままになる場合が多いことからも、当会としては容認できない」として、強い懸念を示した。

 また、被保険者証の記号番号をICチップに入れて活用する場合などは、1.読み取り装置が必要となる2.被保険者資格の異動が多い3.資格確認とともに、給付・過誤・被保険者の異動等に関する保険者間調整も完備されなければならない――ことから、患者にも医療機関にもメリットはないとした。

 同常任理事は、「医療等の現場には、他の分野とリンクしない別の番号を用意するという議論もあるが、個人番号カードを医療現場で呈示するような機能を持たせる場合には、唯一無二性のある番号は外形から見えないようにすべきである」とし、医療に関する機微情報の漏洩等についての危惧が耐えないことからも、「個人番号カードの券面に「個人番号」が記載されているところに被保険者証機能を付加することは、患者のプライバシーの保護や安心の観点から単純に容認できない」と改めて強調した。

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