白クマ
日医白クマ通信 No.1864
2015年3月13日(金)


定例記者会見
「BSL4施設の早期稼動を求める声明を公表」
―小森常任理事

定例記者会見


 小森貴常任理事は、3月11日の定例記者会見で、BSL(biosafety level)4施設の早期稼動を求める声明を公表した。

 今回の声明は、昨年来、西アフリカで流行が続いているエボラ出血熱のように、近年は従来特定の地域で流行していた感染症が、他の国や地域にも拡がる例が散見している状況に鑑み、わが国においても、常に新興・再興感染症の発生、流行に備えた危機管理体制を確立する必要性があることから、BSL4施設の早期稼動を求めるために取りまとめられたものである。

 同常任理事は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)においては、エボラ出血熱、マールブルグ病、ラッサ熱等の病原体を『一種病原体等』と規定しているが、これら一種病原体を取り扱うためには、病原体を封じ込める機能を有し、高度な安全管理の下に遺伝子レベルの解析や実験を行える高度安全試験検査施設(BSL4施設)が必要であるが、わが国ではいまだに稼働していない」とその実情について説明。

 その上で、「BSL4施設は海外でも整備が進められ、全世界で40か所程度稼働しているが、主要先進8カ国(G8)の中では、わが国のみが施設を利用できない状況にある。このことは国際レベルの感染症対策を推進するための大きな障害にもなっており、わが国の感染症研究が世界に遅れをとることも危惧される」と危機感を示した。

 また、同常任理事は、「BSL4施設の稼働は、新たな治療法や予防ワクチンの開発等に係る研究や研究者の育成等にもつながり、感染症から国民の生命、健康を守ることに大きく寄与することが期待される」とし、政府に対して、感染症法の一部改正に係る参議院厚生労働委員会(平成26年11月6日)の附帯決議を重く受け止め、十分かつ丁寧な説明により、地域住民および当該自治体の理解を醸成し、早期のBSL4施設稼働に向けて最大限の努力をすることを求めた。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第三課 TEL:03-3946-2121(代)
◇プレスリリース資料はこちら⇒PDF(86KB)


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