白クマ
日医白クマ通信 No.362
2006年4月2日(日)


第114回日本医師会定例代議員会「唐澤会長所信表明」

唐澤会長所信表明


 代議員の先生方、おはようございます。

 昨日は長時間にわたり、役員の選出のご審議を賜り、誠にありがとうございました。会長選挙、副会長選挙、常任理事選挙ほか新役員をご選出いただきました。会長選挙には、私のほか、二名の方が立候補されましたが、基本理念と目指す方向は、同様であろうかと思います。他候補を支持されました多くの代議員のご意見がありましたことを十分に心に留めまして、今後の会務運営に当たりたいと思います。ことに他候補のご提言は謙虚に受け止め、全会員のご意見とご支援を賜りますよう心からお願い申し上げる次第であります。

 ご高承のとおり、近年の医療を巡る環境は一層厳しいものとなっております。

 少子高齢社会の進展と社会構造の変化、科学技術の進歩と国民医療の状況は、一段と大きな変貌を遂げようとしております。

 さらに、わが国の財政事情の逼迫は、社会保障制度におきましても大きな影響を与えております。ことに与党の医療制度改革大綱、厚生労働省の医療制度改革試案などいずれをとっても、財政主導型の内容となっております。この流れは必ずや提供される医療の質の低下を招きかねません。

 国民医療と申しますものは、全国各地域における特色ある医療の状況そのものであります。良識と誠意を持った医師が懸命に医療を提供しております。国民の求める医療として、大きな評価をいただくことが、財政主導型の医療から脱却するための唯一の道筋であろうと考えております。そのような地域の医療を医療提供のデーターベースに盛り込むことによって、われわれの医療政策に具体的な国民の要望として反映させることが、真に魂の入った説得力のある医療政策となり、国政、行政官庁、国民にとって大きな力強い提言となるものと確信しております。

 各地域において小児医療の問題、産婦人科医の不足とか、勤務医の過重労働、医師の偏在など枚挙に暇のない課題が山積しております。病院と診療所、勤務医と開業医など、多くの医師の意見をまとめて日本医師会の意見として集約していく必要があります。そのためには会員と日医の距離をより近いものにしてさらに国民と一層距離を近づける努力もなさなくてはなりません。 大講堂の様子

 今回このような形で執行部が変わりましたが、本日議案として提出されております事業計画、および予算に関しましては、会長、副会長等も本議案の決定に参加しておりますので、基本的にはこの内容でご承認いただきたいと考えております。

 しかし、先に申し述べましたように、内外ともに流動的な事態となっておりますので、今後これを実施していく過程で、新しい事態、あるいは見直しなどが必要な事項が生じた場合には、その時点で改めて皆様のご意見をお伺いすることもあるかと存じますので、その節は宜しくお願い申し上げます。

 議案につきまして慎重ご審議のうえ、ご承認賜りたくお願い申し上げます。どうか今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。

◆問い合わせ先:日本医師会広報課 TEL:03-3946-2121(代)


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