白クマ
日医白クマ通信 No.457
2006年7月27日(木)


定例記者会見
「医師の資質によって診療報酬に差をつけることには反対」

定例記者会見


 一部日刊紙で、医師個人の能力に応じて診療報酬に差をつけることの検討を開始するとの報道がなされたことを受けて、中川俊男常任理事は、7月25日、記者会見を行い、この問題に対する現時点での日医の見解を明らかにした。

 同常任理事は、「この問題はこれから中医協でその導入の是非を含めた議論が開始されるものであり、今回の報道は時期尚早である」としながらも、以下の理由を挙げて、日医としてはこの問題に反対するとの考えを示した。

  • 症例数を増やすために、技術的に難しくない手術を多く実施するということになりかねない。

  • 対象になった症例の重症度が反映されない

  • 外科医の能力を高めることには反対しないが、個人の能力を評価する指標が今ははっきりせず、評価自体が非常に困難である

  • 現行の制度では、診療報酬を高くしても医師個人の収入になるわけではなく、また、仮にそうなるようにしても医療機関にとっては良いことになるのかはっきりしていない

  • 医師の能力は、各医療機関から出される情報などによって患者さんも加えて評価するべきものである

  • 昨今の医療費抑制の流れのなかで、高点数をつけるということは新設された保険外併用療養費制度の対象となるなど、混合診療の拡大に繋がる恐れがある>

    ◆問い合わせ先:日本医師会広報課 TEL:03-3946-2121(代)


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