白クマ
日医白クマ通信 No.553
2006年12月8日(金)


第2回第X次生命倫理懇談会
「ガイドライン作成に向け作業部会を設置」

第X次生命倫理懇談会


 第2回生命倫理懇談会が12月6日、日医会館で開催された。この日は提出資料をもとに意見交換を行うとともに、ガイドライン作成に向け、高久史麿座長(日本医学会長)をはじめとする7名の作業部会を立ち上げた。

 議事では、資料として提出された厚生労働省の「終末期医療に関するガイドライン(たたき台)」が、座長から紹介された。たたき台には、終末期医療およびケアについて(1)多専門職種で構成される医療・ケアチームによって慎重に判断すべき、(2)患者・家族の精神的・社会的な援助も含めた総合的な医療およびケアを行う、(3)どのような場合でも積極的安楽死など死を目的とした行為は医療として認められない―ことなどを柱に、患者の意思確認ができる場合とできない場合についての手続が明記されている。

 続いて委員から終末期医療に関する資料が提出され、富山県医、東京都、日本尊厳死協会等の取り組みや委員の私見が述べられた。福田委員は、富山県医では富山県公的病院長協議会による「がんの終末期医療に関する申し合わせ」を、厚労省のガイドラインができるまでの暫定的なガイドラインとして採用し、これをもとに各病院で個別のガイドラインが作られている現況を報告した。

 意見交換では、「どこの病院に行くかによって対応が違うのは困る」として一つのガイドラインに集約し、法制化を目指すべきだとの意見が出される一方、「拘束力をもたせるには法制化が必要だが、医師会としての見解を早急に示すべきではないか」「日本人の死生観が定まってない以上、法制化は時期尚早」などの発言がみられたほか、ガイドラインによって手続き上の問題から医師を守る側面もあることなどが強調された。

 また、ガイドラインに実効性をもたせるために、各地区医師会に委員会の必要性について指摘があり、この委員会の在り方についても活発な意見交換が行われた。

 なお、厚労省は「終末期医療に関するガイドライン(たたき台)」についてパブリックコメントを行っているが、近く有識者からなる検討会が立ち上がる予定であり、この進捗状況も睨みつつ作業を進めることが確認された。

◆問い合わせ先:日本医師会広報課 TEL:03−3946−2121(代)


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