白クマ
日医白クマ通信 No.604
2007年3月1日(木)


定例記者会見「医療現場の意見を基にIT化を推進すべき」

中川俊男常任理事


 経済財政諮問会議は、今後2年間に集中的に講ずべきとされる「生産性加速プログラム」に関する議論を開始した。そのなかでは、民間議員から「医療等のIT化」に関する提案もなされている。

 これに対して、中川俊男常任理事は、2月28日、記者会見を行い、現場の意見を無視した医療のIT化には問題があるとの考えを改めて示した。

 同常任理事は、まず、生産性向上の大きな柱として医療のIT化が挙げられていることについて、「医療を経済成長の梃子と考えているのかも知れないが、それは暴論である」と民間議員の考えを批判。利害に抵触する民間議員からの提案によって、わが国の社会保障や医療のIT化の設計がなされることは、弊害を生む恐れがあると述べた。

 さらに、最近の医療に関するIT化政策が、診療現場を支える医師や医療機関の現状を理解せず進められていることを問題視。その典型的な例として、レセプトを手書きしている医療機関が19,000以上あることを指摘。やみくもに欧米諸国の真似をしたり、オンラインの強制的な完全義務化をすることは、医療現場に混乱をもたらすのみだと政府の姿勢を批判するとともに、レセプトについては電子化することが最大の目的なら現在の電子媒体で良く、一足飛びにオンライン化にこだわることについて疑問を呈した。

◆問い合わせ先:日本医師会広報課 TEL:03−3946−2121(代) 


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