白クマ
日医白クマ通信 No.669
2007年6月4日(月)


徳島県医師会
「禁煙条例制定に関する要望書を提出」

 5月30日に徳島県医師会では、世界禁煙デーにあわせて、地元の県知事、議長に医療機関・公共施設への条例制定の要望書を提出したことをご報告いたします。

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要望書

徳島県知事   飯泉嘉門 殿
徳島県議会議長 北島勝也 殿

 貴職におかれましては日頃徳島県の医療保健行政に深いご理解とご高配をいただいておりますことを、改めて御礼を申し上げます。さてこのたび徳島県医師会としましては平成19年5月度第2回理事会におきまして、徳島県内の医療機関を含む公共施設等における禁煙条例制定に関する要望書提出を全会一致で賛成決議を行い、併せて日本医師会へもその旨報告することを採択いたしましたのでご通知申し上げます。つきましては、われわれの趣旨をご理解いただき、条例制定に向けて格別のご配慮をいただけますことを謹んでお願い申し上げます。

 さて喫煙という行為は人体にとりまして、医学的にも有害以外の何ものでもなく、喫煙者本人は言うに及ばず、周囲の人間にも健康被害を与えていることは明白であります。われわれ徳島県医師会としまして、先年徳島県庁内での喫煙所設置については猛省を促しましたが、賛同を得られなかったことは記憶に新しいことであります。さらに徳島県として全県的に取り組んでいる糖尿病死亡率の低下のためには禁煙促進は極めて有効な手段であります。

 また最近入院患者の高齢化等のため、医療機関内での喫煙による火災が発生しております。これは医療機関に限らず、介護施設においても同様の災害が発生しております。喫煙をしない他の入院患者に及ぼす悪影響・被害はきわめて甚大であり、入院患者の生命の危機さえ危ぶまれる状況であります。しかしながら、このような事故発生の予防手段も現在の日本では有効な方法が見あたらないというのが実情であります。

 一方、航空機内においては先年改正された航空保安法により、航空機の安全飛行確保のために禁煙が法制化されました。医療機関内におきましても類似の法律の制定により、入院患者の安全が確保されてしかるべきとは存じますが、残念ながら制定はされておりません。

 海外の状況を考察してみますと、フランスでは本年2月1日より病院・学校・商店などの公共施設での喫煙が禁止されることになり、違反者には1万円強の罰金が科せられることになりました。また来年1月1日からその対象範囲が拡大され、レストラン・カフェ・ホテル・カジノでも禁煙が義務づけられることになりました。世界先進国の中で日本は図抜けて喫煙率が高く、また喫煙者の権利が保護されている特異な国家であることは、将来の日本を考えるときにゆゆしき欠陥となることは言うまでもありません。

 徳島県におかれましては、健康徳島21の喫煙並びに受動喫煙での健康対策・がん対策を策定するにあたって、たばこの害対策を強く推し進めて頂くことを希望いたします。

 また、法的裏付けのない禁煙条例を制定することは大変な困難をともなう企図ではあるという認識を有してはおりますが、なにとぞ徳島県の明るい将来を勘案して、健康増進法を一歩進めた禁煙条例を制定するという知事・県議会のご英断をわれわれ徳島県医師会は期待するものであります。

平成19年5月30日
 社団法人徳島県医師会 会長 川島 周

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◆お問い合わせ先 徳島県医師会 TEL:088-622-0264


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