白クマ
日医白クマ通信 No.882
2008年3月28日(金)


定例記者会見
「医師の職業倫理指針」改訂版を作成―羽生田俊常任理事

羽生田俊常任理事


 会員の倫理・資質向上委員会答申が取りまとめられたことを受けて、羽生田俊常任理事は、3月26日の記者会見で、その内容を説明した。

 本答申は、唐澤人会長からの諮問「医師の職業倫理指針の見直しについて」を受けて、委員会内に4つの分科会を設置して検討を行って取りまとめたもので、3月13日に森岡恭彦委員長(日赤医療センター名誉総長・日医参与)から唐澤会長に提出されたものである。

 同常任理事は、本報告書は、平成16年2月の「医師の職業倫理指針」を基盤としていること、また、本答申の作成に向けて、委員会では昨年12月に倫理指針改訂案を作成し、都道府県医師会、日本医学会分科会等関係各方面に配布するとともに、日医ホームページ上でパブリック・コメントを募集し、それらの意見を踏まえて、さらなる検討を行ったことを説明。今回の改訂については、「平成16年に『職業倫理指針』が出された当時から、医学・医療の急速な進歩や、社会状況の変化に応じて、定期的に見直す作業が必要との認識があり、今回が初めての改訂作業となった」とその経緯を説明した。

 報告書は、「第1章 医師の責務」「第2章 終末期医療」「第3章 生殖医療」「第4章 人を対象とする研究と先端医療」からなっており、平成16年の『職業倫理指針』と比べて、個人情報保護法の施行に関連する部分、現在、政府内において検討が行われている異状死の届出、医療事故の報告等に関する部分について大きな見直しを行った。また、重要な問題である終末期医療を第2章として独立させており、第3章では、最新の知見と解説を盛り込むとともに、新たな項目として着床前診断を追加。第4章では、所要の見直しを行うとともに、「臨床研究に係る利益相反」が新たな項目として追加されている。

 なお、本報告書は、「医師の職業倫理指針[改訂版]」として刊行し、日医全会員のほか、医学部卒業生等にも配布する。また、日医ホームページにも掲載されるので、日医会員以外の医師や一般の方も閲覧できるようにする予定。

◆問い合わせ先:日本医師会企画課 TEL:03-3946-2121(代)

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