白クマ
日医白クマ通信 No.908
2008年4月24日(木)


北海道小樽市医師会
「映画シッコの市民向け公開上映会を開催」

映画シッコの市民向け公開上映会


 小樽市医師会活動「市民健康教室」は、昨年11月1日、日本医師会最高優功賞を受賞し、副賞(賞金)を授与された。この栄誉を市民と共に分かつため、市民公開映画会を開催し、副賞を費用の一部に当てた。

 小樽市医師会は4月19日土曜日にマイケル・ムーア作、ドキュメンタリー映画「シッコ」の市民向け上映会を開催した。映画に先立ち広報担当高村理事が講演し、アメリカにおける医療の混乱は明日の日本の医療の荒廃を予言しているとして、今後の医療に警鐘を鳴らした。

 会場には老若男女、10代から80歳以上の市民約1,200名の観客が集まった。同時にこの映画と現在の医療状況についてアンケートを行った。アンケートは回収率が約40%に達し、さらに声援、激励、積極的なあるいは批判的なご意見など多数の書き込みを頂き反響も大きかった。アンケートを通じ当医師会への共感が広がっていること、後期高齢者医療をはじめとする制度改悪への不安と反感が市民の間に大きく広がっていることなどが感じられた。なお会場が狭く一度の上映では収容しきれないおそれがあったため当初一回だけ予定していた上映回数を3回に拡大して実施した。

 会場で実施したアンケートからはアメリカの医療制度が「不安なところが多く納得できる制度ではない」との回答が96%にのぼった。またアメリカにおける医療の格差については、「格差があって当然・この程度の格差はやむを得ない」とする回答がわずか4%であったのに対し、「医療には格差はあるべきでない」とする回答が95%で圧倒的であった。また「映画の中でアメリカと対比されたヨーロッパの医療制度」については「ヨーロッパは制度が行き届いている」とする声が86%と圧倒的であった。一方日本の医療の将来に関しては、それぞれ「医療崩壊が現実となっている」44%、日本の将来もこうなるのかと心配だ」43%と現状に不安を感ずる市民が「日本の医療は不備な点もあるがうまくいっている」13%とする意見を大きく上回った。

 小樽市医師会ではこれらの声を背景に、今後ともよりよい医療制度を求めて粘り強く運動を継続してゆく予定である。

 また当医師会はこれまでローカル局「FMおたる」で「健康おたる」と題した情報提供番組を継続しています。この内容は下記の当医師会ホームページからお聞きいただけます。

 http://www.hokkaido.med.or.jp/otaru/html/fm.html

(文責:小樽市医師会広報担当理事 高村一郎)

◆問い合わせ先:小樽市医師会 TEL:0134-22-4111


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