白クマ
日医白クマ通信 No.920
2008年5月30日(金)


定例記者会見
「国際保健検討委員会設置」
―石井常任理事

石井正三常任理事


 石井正三常任理事は、5月28日、記者会見を行い、会内に「国際保健検討委員会」を新設することを明らかにした。

 日医はこれまで、2名の会長を送り出している「世界医師会(WMA)」や、今年50年の節目を迎える「アジア大洋州医師会連合(CMAAO)」の活動を通じて、様々な形で国際保健に寄与してきたが、今後は同委員会で活動の方向性を検討していくことになる。

 5月に行われた第179回WMA中間理事会において、同常任理事は議長指名により、CMAAO事務総長として、この度のミャンマーおよび中国における大規模災害についての懸念を共有しながら、お互いできることを考えていきたいと発言したところであるが、そのような開発途上国等の医療・健康問題について、日医がどのように寄与し、関与していけるかを検討していくことが、同委員会の非常に大事な課題になることを強調した。

 また、世界一の長寿社会を形成するに至った日本の医療制度の仕組みや、地域医療における活動の中身について知りたいという意見が各国から多数寄せられており、その回答のひとつとして、100年以上の歴史が刻まれている学校医制度を挙げた。我が国では、医療資源が不足していた時代から、地域の医師たちが兼務し、協力しながら学校医制度に取り組んだことにより感染症が減り、栄養の改善が図られてきたという経緯がある。こういった活動を始め、地域医療における様々な貢献や活動について、積極的に各国に情報提供し、またその作業の中から還元できる成果があれば、国内にも活用していきたいとの考えを示した。

 日医の協力によりハーバード大学公衆衛生大学院に設置された「武見国際保健プログラム」の出身者である武見フェローが現在国際保健の第一線で活躍しているが、同委員会は武見フェローを中心に、海外での国際保健活動にも通じているメンバーで構成されている。同常任理事は、同委員会での討議が、日医としての国際保健を含む国際活動への取り組みを検討するきっかけとなることを期待していると述べた。

◆問い合わせ先:日本医師会国際課 TEL:03-3946-2121(代)

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