白クマ
日医白クマ通信 No.930
2008年6月13日(金)


定例記者会見
「社会保障国民会議第二分科会中間とリまとめ骨子(案)に日医の考え示す」
―中川常任理事

 中川俊男常任理事は、6月11日の定例記者会見で、6月5日に開催された社会保障国民会議サービス保障(医療・介護・福祉)分科会に示された中間とりまとめ骨子(案)に対する日医の現時点での考え方を説明した。

 同常任理事は、まず、骨子(案)に「効率的」「効率化」という表現が繰り返し使用されていることについて、これらの表現は、これまでの医療費抑制の流れの延長にある考え方であり、遺憾であると述べた。また、病院は「装置産業」であるとの表現についても、「装置産業とは基本的に製造業のことである。医療は人的資源の質、患者との信頼関係がきわめて重要で、それは設備投資コストがかかる医療機関でも同様。医療機関を「装置産業」とするのは不適切すぎる」とし、撤回することを求めた。

 具体的な問題点としては、「病院に偏重した内容」「『効率化重視』であり、国民の視点が欠落」「在宅偏重の内容」「レセプトオンライン化の前倒し」といった点を指摘。特に、「レセプトオンライン化の前倒し」に関しては、(1)環境整備がされていない、(2)「医療機関・患者双方に大きな利便」というが、そのエビデンスがまったくない、(3)レセプトオンライン化が義務化された際には、医療機関の1割が撤退せざるを得ないと思われ、医療提供体制が縮小しかねない―ことを指摘し、このような状況において、「前倒し」というのは現状認識がないのも甚だしいと批判した。

 さらに、同常任理事は、6月に取りまとめられる「骨太の方針2008」に触れ、骨太の方針のなかの社会保障の部分の多くは、社会保障国民会議の中間報告の内容が反映されると言われていることから、今後も引き続き社会保障国民会議の議論の行方を注視していきたいとの考えを示した。

◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03−3946−2121(代) 

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