白クマ
日医白クマ通信 No.938
2008年6月26日(木)


定例記者会見
「社会保障国民会議中間報告に対する日医の考え示す」
―中川常任理事

中川俊男常任理事


 中川俊男常任理事は、6月25日の定例記者会見で、6月19日に社会保障国民会議がとりまとめた中間報告に対する日医の見解を述べた。

 6月12日の本会議において、唐澤会長は、現在の財源確保が必須であり、社会保障費の機械的抑制の撤回を主張したと説明。これまでの医療費抑制の結果が、今日の医療崩壊を現実化させたのは厳然たる事実であるが、中間報告には、この点について、格段の反映はされなかったことを指摘した。

 さらに同常任理事は、「専門職種間の機能・役割分担」について、医師不足に名を借りて役割分担だけが先行すれば、責任の所在もあいまいになりかねず、結果として、患者に危険な状態をもたらす可能性があると述べた。

 また、医療制度・介護制度内部での財源配分のあり方についての見直しが、財政中立を意味しているのであれば、後退であり遺憾である。医療費抑制による医療現場の疲弊は極限に達している。病院・診療所にかかわりなく、また、医療、介護ともに、地域医療、ケア全体の問題として、財源の確保に努めるべきであると主張した。

 同会議の第2分科会(サービス保障(医療・介護・福祉))での中間とりまとめでは、保険免責制や混合診療の導入は、家計の負担を確実に増大させ、医療格差を拡大させる。格差社会といわれる中、社会保障としての公的医療保険の役割の充実を目指すべきであるとした。

 最後に、同常任理事は、社会保障国民会議は、今秋の最終報告書とりまとめに向けて今後も議論が継続されるが、社会保障財源の確保と、十分な医療・介護提供体制の再構築に向け、日本医師会は、さらに積極的に発言していくと述べた。

◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)

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