白クマ
日医白クマ通信 No.941
2008年7月1日(火)


大学病院の医療に関する懇談会
「医師の偏在・不足、DPCについて意見交換」

大学病院の医療に関する懇談会


 大学病院の医療に関する懇談会が、6月27日、日医会館で開催された。

 懇談会は、内田健夫常任理事の司会で開会。冒頭、あいさつに立った唐澤人会長は、「大学側との意思疎通を図ることを目的として始めた本懇談会も、3期目を迎えた。『安心と希望の医療確保ビジョン』会議、社会保障国民会議、経済財政諮問会議の3つの会議から、それぞれ取りまとめが公表されたが、医師としての共通認識の下、山積する問題に真摯に対応していきたい」と述べた。

 つづいて、今年から全国医学部長病院長会議の会長に就任した小川彰同会議会長が、「医療に関連するさまざまな動きに対して、日医と共同歩調をとっていきたい」とあいさつした。

 議事では、まず、小川全国医学部長病院長会議会長が、提出資料「臨床研修修了者の大学帰学動向調査」について報告。臨床研修制度による影響として、大学への帰学者の割合が減少したことで地方大学における医師不足が起こり、地域医療体制が崩壊しつつある現状を説明した。

 次に、内田常任理事は、本年4月に行った「日本医師会 新医師臨床研修制度と医師偏在・医師不足に関する緊急アンケート調査」の結果を報告。新医師臨床研修制度が引き金となり、医師不足が顕在化し、大学において初期・後期研修医が減少、大学医学部の医師派遣機能が弱体化した可能性が高いとの認識を示した。

 三上裕司常任理事は、DPCについて、(1)厚生労働省に指導監査やDPC対象患者の外来診療を含めた診療内容等の詳細データの公開を求め、医療機関経営におけるDPCの実態を明らかにする、(2)患者の視点から実態調査を早急に実施し、問題がある場合には、DPCの拡大を凍結する、(3)医療費の抑制が行き過ぎ、フリーアクセスの制限につながらないよう、DPCからの撤退は自由にする―との日医の見解を説明した。

 意見交換では、新医師臨床研修制度の影響や医師不足・偏在について、さまざまな意見が出されたほか、DPCについては、問題点や今後の方向性に関する議論がなされた。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第一課 TEL:03−3946−2121(代)


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