白クマ
日医白クマ通信 No.983
2008年8月19日(火)


定例記者会見
「医学部定員増には十分な予算確保が必要」
―内田常任理事

内田健夫常任理事


 内田健夫常任理事は、8月6日の定例記者会見で、8月5日に文部科学省が「平成21年度の大学医学部の総定員枠を過去最大枠まで増員する」と発表したことに対する日医の考えを示した。

 同常任理事は、この定員増について、「現状の医師不足、医師偏在対策のひとつの大きな追い風となるものであり、各大学においては積極的に対応を進めて欲しい」と一定の評価を示すとともに、「この政策は、直接的に地域や診療科の医師偏在・不足を解決するものでなければならず、医師会からも知恵を出して実効性のあるものにしたい」と述べた。

 そのうえで同常任理事は、医学部定員増の最大のネックとして、「医療費を据え置き、あるいは削減したままで医師数を増やしても、決して現在の医療危機は解消できず、十分な予算、医療費を確保することが必要」であること、「大学に対する交付金、助成金を増やさなければ、大学側も定員増を受け入れることは困難」であるという2つの問題点を指摘、行政への対応を求めた。また、地方の自治体や病院からの医学生に対する奨学金等による地域枠の確保や、医師が不足している診療科における医師確保に対する助成金等が十分に活用できるような環境整備が行われることへの期待を示した。

 最後に同常任理事は、「この定員増により適切な医師数を確保できるかどうかはこれからの検討課題である」として、早急に日本医師会として現場の状況や将来の対応について調査を実施し、その結果を踏まえて具体的な提言を行っていく予定であることを明らかにした。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第1課 TEL:03-3946-2121(代)


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