大学紹介

金沢大学

【教育】地域と世界に貢献できる医師を養成

金沢大学 医薬保健研究域 医学系
ウイルス感染症制御学分野 教授 市村 宏

先生

金沢大学医薬保健学域医学類は、従来の医学部医学科に相当し、国立大学医学部としては、長崎大学、東京大学に次いで3番目に古い歴史を有しています。その150年を超える歴史の中で、医学類では「幅広い教養、豊かな感性と人間性への深い洞察力を持ち、コミュニケーション能力及び国際性を備え、患者中心の全人的医療ができる医師と医学者」の育成を目標に教育を行っています。

学生の主体的探究心を涵養するために、3年次に基礎系研究室で研究の基本を学ぶ必修科目の基本的基礎配属の他、研究に興味を持つ医学類生が放課後等の空き時間に研究指導を受け、セミナーや研究発表を行うメディカルリサーチトレーニング(MRT)プログラムを設け、1年次から参加できる選択科目として単位認定しています。現在、全医学類生数の1割強である約70名の学生が参加しており、自由に研究を行っています。本学は、スーパーグローバル大学創成支援事業に採択されており、さらなる国際化を進めています。現在、1年次からの海外語学研修、2年次必修科目の「医学英語」、MRTプログラムにおける外国人教員による「実践的医学英語」を通して、使える生きた医学英語の習得を図るとともに、3年次・6年次における海外の大学・医療機関での基礎医学研修や臨床実習、世界保健機関(WHO)での研修等、学生の海外派遣を推進しています。それは、プロフェッショナルな医師となるためには、知識も大切ですが、狭い枠に囚われないグローバルな視野を持ち、挑戦する豊かな人間性が不可欠だと考えているからです。大変だとは思いますが、それに負けない「明確な目的意識、強い使命感、高い倫理観と協調性」を備えた皆さんを歓迎しています。

【研究】研究のできる医師の養成

金沢大学 医薬保健研究域 医学系 再生分子医学分野 教授 横田 崇

先生

金沢大学医学部は、加賀藩彦三種痘所(1862年)の流れを汲み、医学に関する教育・研究を行うことを目的に、第四高等中学校医学部(1887年)、金沢医学専門学校(1901年)、金沢医科大学(1923年)を経て、1949年金沢大学医学部として設置されました。種痘所を淵源とする国立大学医学校としては、長崎大学、東京大学に次いで、金沢大学医学部は日本で3番目に古い医学校で、2012年には創立150周年を迎えました。2008年には、金沢大学は、3学域・16学類に再編され、医学部は、医薬保健学域・医学類へと改組されました。医学類の理念は、グローバルに活躍できる職業人として、人間性を重視し、高度で総合的な能力を有して地域社会のみならず、世界に貢献できる医師及び医学研究者の養成を積極的に推進していくことです。

研究の中心になる大学院については、2001年に脳・がん・循環・環境医科学専攻という目的重点型専攻への改組が行われました。さらに、附属病院、がん進展制御研究所、学際科学実験センター、子どものこころの発達研究センター、脳・肝インターフェースメディシン研究センター、健康増進科学センターなどの関連施設とも連携して、様々な基礎研究、共同研究、応用研究、橋渡し研究、臨床研究・試験が活発に推進されています。2012年に医科学専攻(修士課程)、保健学専攻(博士前・後期課程)、創薬科学専攻(博士前・後期課程)、薬学専攻(博士課程)が加わって医薬保健学総合研究科へと改組されました。2016年にはこれまでの医薬保健学総合研究科に加え、千葉大学、金沢大学、長崎大学が連携して、国内の国立大学医学系では初となる共同大学院の一翼を担う、先進予防医学研究科が金沢大学に設置されました。メディカルリサーチトレーニング(MRT)プログラムは、医学類の正式科目と並行して、希望する学生が、授業の空き時間や夕方以降、休暇期間を利用してゼミナールや論文講読会及び上記各研究室で行われている研究に参加するものです。学生の段階から医学研究の大切さや面白さを理解し、将来、研究のできる医師になることを期待しています。

【学生生活】自由な雰囲気の中で、主体的に学ぶ

金沢大学 医薬保健学域 医学類 5年 梨田 英恵
同5年 森山 柾純

森山:僕は、金沢大学の自由な雰囲気があって学生の意見を聞いてくれるところが気に入っています。例えば、テストの日程について学生の意見を聞いてくれるので、部活の合宿などに重ならないように調整することができるんです。また、普段の授業についても、実験や実習があまり遅い時間にならないように組まれているので、空き時間を利用して起業する先輩がいるなど、学生がやりたいことに挑戦しやすい雰囲気を感じますね。

梨田:5年生の4月から病院実習に行っているのですが、外科が特に印象に残っています。先生方はとてもフレンドリーでしたし、手術の縫合など、学生ができるぎりぎりのところまで任せていただいたんです。

森山:僕はある科で「これから手術があるけど見学に来ないか」と電話で誘っていただいたのが嬉しかったです。学生のやる気次第でどんどん学べる環境だったのですごくよかったです。

梨田:私自身も他県出身なのですが、金沢の方々は学生に対して温かく、他の県から来た人にとっても過ごしやすい街だと思います。金沢市内の繁華街には市民交流館があって、他の学部の人たちや市民の方と交流することができます。

森山:毎年11月には、医薬保健学域の学生たちがこれまで学んできたことを市民の皆さんに紹介する「医学展」を開催しています。僕は今年の実行委員長なんです。今年の「医学展」のテーマは「CHANGE」です。学生たちにとっては、普段は受け身で学んでいる医学を「発信する側」として見つめなおす機会、来てくださる市民の方々にとっては医学を身近に感じ、信頼感を深めていただく機会にしたいと思っています。

 

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