OPINION:“チーム医療”

豊見城中央病院外科 副院長 城間 寛

医療は「チーム医療」とよく言われる。まさしくそうである。

当院外科では、市中病院として、いろいろな手術を一カ月に約百件行っている。外科病棟における病棟総回診も、三年前から他職種を交えての総回診を行っている。

総回診の時に集まる職種は、医師、看護師、リハビリ、栄養士、薬剤師、心理士、連携室職員、医事課職員などである。内容は、術後のケアからその後のリハビリ、薬や栄養状態の管理など。がんの患者さんの場合、心理相談や退院、転院相談を連携室に委ね、紹介状や必要書類の作成を依頼したり、されたりしている。少なくともこれだけの職種が関わり、一人の患者さんの病棟での治療を行っている。にぎやかで楽しい回診である。

また、最近ではメディカル・アシスタント(医師事務作業補助者)も加わり、外科医の仕事をサポートしてくれている。

本欄では、勤務医の過重労働などがよく問題になるが、当院は、医師臨床研修では、“群星沖縄プロジェクト”の基幹病院として、内科、外科を中心に後期研修まで取り組んでいるため、幸い他県の同規模の病院よりは医師数においては充足されている状況と思われる。

また、他職種とのチーム医療を形成し、更にメディカル・アシスタントを育成することで、彼・彼女らに業務に入ってきてもらうことで、以前より医療の中身は向上し、外科医に掛かる負担は軽減されてきているように感じる。

医療は、特に労働集約型産業なので、医療の質の向上と、勤務医の労働環境の改善のためには、言い古された言葉かも知れないが、人材を育成し、チームをつくることが一番の近道と考える。

日医ニュース 第1199号(平成23年8月20日)「勤務医のひろば」より

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