大学紹介

九州大学

【教育】先端の医療と研究を担える医師へ

九州大学大学院医学研究院 副研究院長(教育) 康 東天

先生

九州大学医学部のキャンパスは福岡県庁の真向かいにあり、福岡市内の交通至便な場所に位置しています。本部がある伊都地区から遠く離れていることから、入学後1年間は基幹教育と称する昔の一般教養に当たる科目を伊都地区で、2年次からの専門教育は医学部キャンパスと、ほぼ完全に分離しています。広い視野をしっかりと養って、医師・医学研究者への道を歩んでほしいとの私たちの願いも込められています。専門課程にあっても、同窓会の協力などもあり知識偏重な学生とならないように課外活動の支援にも力を入れています。約1年半ずつの基礎医学・臨床医学講義を経て、5年次からは1年かけて全臨床科を回る臨床実習Iと、6年次からは5つの希望科を1か月間ずつ勉強するクリニカルクラークシップと、2種類の臨床実習を用意しており、幅広く必要な知識と医療技術を獲得するとともに、自主的で能動的な選択肢を用意することで本人の興味ある分野を深く学べるよう工夫しています。また研究への興味を涵養するために、3年次の1か月間の基礎研究室配属だけでなく、おそらくは他大学で例がないと思いますが6年次4月にも研究室配属期間を設けています。また5年次からMD-PhDコースもあり、本格的な基礎医学研究を経て医学博士号を得て、医学部5年次に復帰する学生が毎年1~2名います。海外交流も充実しており、毎年、韓国の釜山、仁済、慶尚大学医学部の学生計9名が臨床実習を、タイのマヒドン大学医学部の2名の学生が基礎医学研究体験を1か月間しています。九大の学生も計7~8名程度が韓国の3大学で、また合わせて10名前後がドイツのグーテンベルク大学と米国のクリーブランドクリニックで臨床実習を行っています。厳しい勉学ですが自主性を重んじ、課外活動、国際交流と豊かな経験を積むことができる九州大学医学部です。

【研究】幅広い分野で世界最先端の研究

九州大学大学院医学研究院 副研究院長 北園 孝成

九州大学大学院医学研究院では、基礎医学・社会医学・臨床医学の各分野が独自性を持った世界最先端の医学研究を推進するとともに、分野間の有機的統合によって優れた研究者ならびに医療人の育成を行っています。

代表的な研究の一つがゲノム研究です。DNAのメチル化によってゲノム情報が変化することで様々な細胞の個性や働き方が決まります。この分子修飾をゲノム全領域にわたって解明する方法がエピゲノム解析です。我々は、世界最高感度のエピゲノム解析技術を開発し、細胞の機能を解明しています。さらに細菌や真菌など微生物のゲノム解析も進めています。微生物の集団が持つ遺伝子群を網羅的に調べるメタゲノム解析を用いて、細菌の進化や病気との関連について研究しています。

また、幹細胞に関する研究も盛んに行っています。再生医療に向けて神経幹細胞の分化をコントロールする手法の開発、造血幹細胞と周囲環境との相互作用に関する研究、生殖系幹細胞の多能性のメカニズムの解明などを行っており、さらに、がん幹細胞に関する研究では、急性骨髄性白血病のがん幹細胞の存在を証明し、新たな分子標的薬の開発に向けた研究を行っています。

一方で、半世紀以上にわたって、大規模なコホート研究(集団を長期間追跡して病気の原因や治療法を探求する疫学の方法)を展開してきました。その中心となるのが1961年にスタートした久山町研究です。福岡県久山町の一般住民を対象にして、脳卒中をはじめとする生活習慣病の疫学研究を行ってきました。最近、糖尿病が認知症の危険因子であることをつきとめ、その対策のための全国研究を主導しています。2014年に総合コホートセンターを開設しました。多彩なコホート研究を行うとともに研究者の育成を行っています。

九州大学大学院医学研究院では、次世代の医学・医療を担う若い皆さんを歓迎します。

【学生生活】学生の自主性に任せる校風

九州大学 医学部 医学科 5年 秋山 元太
同 5年 山崎 陽平

山崎:僕たちは現在、病院実習中です。診療科によって参加型の場合も見学型の場合もありますが、学生が「やりたい」と言えばどんどん参加させてくれる雰囲気があります。

秋山:講義の出欠がすごく厳しいということもなく、先生たちが学生の自主性に任せてくれているのかな、と思います。もちろん試験など、やるべきことはやっていることが前提なのですが。全体的な雰囲気としては、まじめにコツコツやるタイプの学生が多いと思います。

山崎:九大全体の特徴なのですが、アジアとのつながりが深く、アジアからの留学生も多いです。授業中に韓国の大学のオペ室と回線を繋いで、手術の生中継をしたこともありました。

秋山:九大は総合大学で、1年生の時は伊都キャンパスで他学部生と一緒に授業を受けます。全学の部活やサークルに入る学生も多いですね。僕は医学部のフットサル部に入っているのですが、フットサルの部活は医学部にしかないので、逆に全学の人が参加しているんですよ。

山崎:僕は全学のオーケストラに所属していました。医学部以外にも友人がたくさんできてよかったです。

秋山:九大の学生は、九州出身者が多いです。みんな地元愛が強く、九大病院には九大が好きで帰ってくるOBもたくさんいますね。福岡は、食べ物がおいしくて住みやすい場所です。博多駅周辺、天神周辺に出れば何でもあります。アルバイト先も色々あるので、家庭教師や塾講師以外のことをやっている人も多いです。みんな思い思いの学生生活を送っているので、誰に聞いてもやっていることが違っていて面白いですよ。

※医学生の学年は取材当時のものです。

 

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