大学紹介

和歌山県立医科大学

【教育】シームレスな教育を通じて地域医療と国際社会に貢献する

和歌山県立医科大学 教育研究開発センター長 村田 顕也

本学は、1945年に和歌山県立医学専門学校として設立されました。紀州が生んだ医聖華岡青洲の「内外合一・活物窮理」の考えを「医の心」のルーツとし、専門的な学術を教授研究するとともに、豊かな人間性と高邁な倫理観に富む資質の高い人材育成を教育理念として掲げています。1年次教育は、リベラルアーツに加え、多職種連携教育の一貫として保健看護学部との共通講義や地域病院での早期臨床体験実習などのケア・マインド教育を開講しています。また、老人福祉施設・障害者福祉施設・保育園などで実習し、地域の実情を体験します。2年次から基礎医学科目を学び、3年次には学生を基礎医学の各研究室に配置し、本人の興味があるテーマで実際の研究に触れる基礎配属を行います。3年次の後半から4年次にかけての系統講義を通して臨床医学を総合的に学びます。CBT・OSCEの共用試験に合格した学生はStudent Doctorとして、5年次から少人数に分かれて附属病院の全ての診療科で診療参加型臨床実習を行います。医療の現場を体験しながら知識のみならず、医師としての技能や態度(倫理観)を学びます。6年次には、選択制臨床実習として学外の病院で約6週間地域医療の実情を学びます。そして臨床実習後OSCEにて臨床技能の最終評価を行います。2013年には医学部在学中から大学院博士課程の一部が履修できるM.D-Ph.Dコース(大学院準備課程)を開設しました。この制度により、学生時代から研究の基礎が学べるほか、大学院の履修期間の短縮が可能となりました。このように、本学は知識に偏重した従来型の教育ではなくGlobal Standardの医学教育に対応し、地域医療や国際社会に貢献できる医学者の育成を目指し、6年間一貫の成果基盤型医学教育を行っています。2017年には医学教育分野別認証を取得し、本学が国際標準の教育を実施していることが証明されました。

【研究】医療系総合大学としての独創的・先進的な研究

和歌山県立医科大学 副医学部長
内科学第三講座(呼吸器内科・腫瘍内科)教授 山本 信之

本学は、2015年に創立70周年を迎えた歴史ある大学ですが、2004年に保健看護学部を併設し、2021年には薬学部を開設する予定で、単科大学から医療系総合大学に大きく発展を遂げる途上にあります。今後、3学部共同の研究施設を設置予定であり、医薬保の連携による新たな独創的な研究シーズ開発を行っていきます。

現在、医学部には、教養・基礎・臨床合わせて39講座があり、先端医学研究所では、時代のトレンドとなる研究を柔軟に実施しています。また、2013年にM.D-Ph.Dコース(大学院準備課程)を開設し、早期から研究者の育成に取り組むとともに、優れた研究を行い将来リーダーとしての活躍が期待できる若手研究者の顕彰を行っており、受賞者の中から多くの本学・他学の教授を輩出しています。さらに、本学では、がん・救急・先端医学等の分野についての重点的な研究体制の強化を目標として掲げ、これらの研究を推進するために、基礎・臨床の垣根を取り払い、複数の講座がまとまって行う研究を資金面で支援しています。2015年には臨床研究センターを開設し、臨床研究・治験を支援する体制を整えました。その結果、昨年には、日本で初めての膵臓がんに対する樹状細胞ワクチン療法の医師主導治験の開始、樹状細胞が腸管の免疫系を維持することによる腸炎病態制御の新たなメカニズムの発見、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の神経変性メカニズムの解明などの研究成果が生み出されています。

本学は、規模が小さく、地の利もよくないと感じるかもしれません。今まさに、それを長所に変えて(意思決定が早く世の中の動きに柔軟に対処できる。県内唯一の医科系大学であるため、県内のほぼ全ての患者情報にアクセスできる)、多くの新しいプロジェクトが進行しています。我々と一緒に、面白い、わくわくする研究を行いましょう。

【学生生活】面倒見の良い環境の中で、主体性を育む

和歌山県立医科大学 医学部 5年 高尾 美穂
同 5年 渡部 博明

高尾:私は軽音楽部に所属しています。他大学の学生と練習をすることもあるのですが、和医大のキャンパスはきれいだと言われます。建物もですが、周りに海も山もあって、景色がいいんです。

渡部:大阪に出やすい立地なので、大阪に遊びに行くことも多いですね。県内だと白浜へちょっとした旅行に行ったり、ロードバイクで和歌山ラーメンを食べに行ったりすることもあります。

高尾:和医大は、県内唯一の医学・医療系の大学です。保健看護学部もあって、1年生は同じ(三葛)キャンパスで授業を受けます。保健看護学部と合同の授業で、ケア・マインドに関するグループディスカッションを行ったことが印象に残っています。

渡部:和医大の附属病院は臨床研修先としても人気があり、海外から勉強に来る先生もいらっしゃいます。病院実習で整形外科を回っていた時に、ミャンマーから先生が来ていて、カンファを全て英語で行うことになりました。僕たち学生も英語で発表することになって、準備は大変でしたが、とても勉強になりました。

高尾:和医大は、面倒見が良くて卒業後も残りやすい大学です。その分、自分から外との交流を心がけたり、行動したりするようにしないといけない部分もあるのかな、と思います。

渡部:僕は留学を経験したのですが、留学先で先輩の話を聞いたり、海外で頑張っている日本人について知ることができて、すごく刺激を受けました。和医大内だけでも充実した環境で学べますが、自ら外に出ることで、また見えてくるものがあるのではないかなと思います。

※医学生の学年は取材当時のものです。

 

和歌山県立医科大学
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