チームで周術期を支える①

手術の安全を守り、患者さんの早期回復を可能にするには、周術期に関わる多職種がチームとなり、連携しあうことが非常に大切です。日本でいち早く周術期チームを立ち上げた、東邦大学医療センター大森病院では、どのような連携が行われているのか見てみましょう。

周術期管理を多職種で担う

高齢社会の到来や医療技術の進歩とともに手術件数は増え、手術の安全性に対する国民の要求水準も、質の高い麻酔管理に対する要請も高まっています。しかし、周術期管理の中心的役割を果たしている麻酔科医の人的資源も不足するなか、多様な周術期のアプローチを維持するのは容易なことではありません。

そこで日本麻酔科学会が中心となり、周術期管理を担う多職種チームを作る取り組みが進められてきました。2014年度からは周術期管理チームの認定が始まり、2018年4月現在で1,672名の看護師、113名の薬剤師、8名の臨床工学技士が認定を受けています。周術期管理に特化し、チームで協働する訓練を受けた多職種が関わることで、質の高い周術期医療の提供を目指します。ここからは、周術期管理チームの先駆者である、東邦大学医療センター大森病院の事例を紹介します。

 

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東邦大学医療センター大森病院周術期センター

2011年4月に発足。麻酔科医・中央手術部看護師・薬剤師・臨床工学技士・歯科医師・歯科衛生士に加え、事務部門のメンバーから構成されている。