交流ひろば

医学生の留学を応援するウェブサイト“イノシル”

イノシル

イノシルとは「医の(INO)中で、大海を知る(SHIRU)」という言葉の略です。様々な面で留学を希望する医学生を応援しています。主にウェブサイトやFacebookグループで医学生の留学に関する情報発信を行っています。イノシルのウェブサイトには、実際に留学したことのある医学生および医師に執筆していただいた留学体験記やコラム、留学経験者にインタビューをして執筆した記事などが掲載されています。また、イノシルFacebookグループは、実際に留学している方と留学予定の方が気軽に情報交換や相談をしてつながり合えるような場となっています。さらに留学資金のサポートを行う「Fanfare」では、医学生および医師であれば誰でも利用できるクラウドファンディングを提供しています。このように、情報格差や経済的な格差を縮めることによって、留学する医学生の数を増やすことができれば幸いです。

医学生の留学に特化した情報発信のプラットフォームは、これまでありませんでした。それぞれの大学が独自のプログラムを持っていたり、あるいは自分のコネクションで留学先を見つける人がいたりしますが、それらの情報が集約されている場所はなく、持ち得たはずの留学のチャンスを得られずに卒業していく医学生をこれ以上増やしたくないと思い、このプロジェクトを始めました。

医学生は、閉鎖的、あるいは同質的になってしまいがちではないかと考えられていますが、「プロフェッショナル」となるうえでは、多様な「際を越える」経験が欠かせません。所属を越え、分野を越え、国境を越える。越えるというチャレンジを繰り返し、小さな成功体験と安全な失敗体験を通じて成長するための機会を作り出し、意志を後押しするのが我々のミッションです。

留学に関する情報や留学経験者とのコネクションだけでなく、留学するための一歩を踏み出す勇気が得られると確信しています。

イノシルhttps://inoshiru.com
Fanfarehttps://fanfare.medica.co.jp/medfeed/

 

「医」と「宇宙」の接点を覗く

Space Medicine Japan Youth Community 石橋 拓真、大古 一聡

Space Medicine Japan Youth Communityは、宇宙医学に関する様々な活動を行う学生主体のコミュニティです。宇宙医学の専門家を訪ねるスタディツアーや、海外から先生をお招きしての講演会、Facebookでの情報発信などを行っています。

2019年3月、Space Medicine Japan Youth Community主催の「宇宙医学スタディツアー」が開催されました。医療分野から宇宙開発に携わる先生方をお呼びして貴重なレクチャーを受け、活発な議論を交わす場となりました。

現在、宇宙開発は目覚ましく進展しています。NASAは2024年までの有人月探査の再開を目指し、スペースX社は火星に人を送るべくロケットの製造・打ち上げを行っています。こうした工学的進歩の一方で、宇宙を目指すうえで必要な医学・医療のサポート体制が整っているとは言い難いのが現状です。

宇宙での医学・医療がより重要度を増す時代を見据え、多くの医学生に「宇宙医学」という将来の選択肢を知ってもらうことを目的に半年ごとに開催されているのが、「宇宙医学スタディツアー」です。3度目の開催となる2019年の春は、関東・関西の計5か所を訪問しました。以下が、各日程の簡単な内容です。

■関東Day1@JAXA相模原キャンパス:稲富裕光教授より宇宙惑星居住科学について、そして石岡憲昭教授より宇宙での老化現象についてのレクチャーをいただきました。

■関東Day2@日本大学岩崎研究室:研究員の倉住拓弥先生と加藤智一先生から、宇宙をはじめとした極限環境での脳循環に関するレクチャーをいただきました。また、同研究室の機器を用いたヘッドダウンティルト(HDT)および低酸素吸入の体験を行いました。

■関東Day3@渋川医療センター:小児科医として勤務されている石北直之先生から、宇宙麻酔機器開発についてのレクチャーをいただきました。

▼関西Day1@大阪医科大学:宇宙服の研究をされている岐阜医療科学大学の田中邦彦教授にレクチャーをいただきました。人類の宇宙進出と宇宙服の発展の歴史や、現在の宇宙服の問題点、最新の宇宙服モデルについてお話しいただきました。

▼関西Day2@京都大学宇宙総合学研究ユニット:寺田昌弘特定准教授からユニットの紹介を受け、宇宙飛行士の土井隆雄特定教授から実体験を交えたお話を伺いました。その後、石原昭彦教授、神﨑素樹教授から研究内容の紹介をしていただきました。

計5日間のツアーのなかではキャリア形成についての議論も交わされ、これから他分野との接点が増えていく医学・医療系学生の視野を広げるという観点でも有意義な機会となりました。次回のスタディツアーは2019年8月に開催予定です。宇宙での医学という新分野に興味を持たれた方は、下記連絡先にお気軽にご連絡ください!



Webhttp://square.umin.ac.jp/spacemedicine/
Facebookhttps://www.facebook.com/spacemedicinejapan/
Mail:spacemedicine.japan[a]gmail.com([a]をアットマークに変えてください)