授業探訪 医学部の授業を見てみよう!【前編】

北海道大学「免疫学」

この企画では、学生から「面白い」「興味深い」と推薦のあった授業を編集部が取材し、読者の皆さんに紹介します!

免疫学のトップランナーの話が聞ける!

この授業では、ハーバード・メディカルスクールの先生や、ノーベル賞受賞者と共に研究してきた先生など、世界のトップクラスの先生の講義をオンラインで受け、自由に質問できるという、滅多にない体験ができます。

ディスカッションで学びを深める

授業の冒頭では、予習した内容についての小テストを各自で解き、その後グループでディスカッションを行う時間が設けられています。お互いに知恵を出して話し合うことによって、理解が深まります。

主体的に授業に臨めるプログラム

他にも、臨床例に即した問題集「POPS」をグループで話し合いながら解いたり、与えられたテーマについてグループで予習ビデオを作成したりと、学生が主体的に授業に参加できるプログラムが豊富に用意されています。

 

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(写真左)海外の先生とリアルタイムで通信。
(写真中央)小テストの問題も、全て英語です。
(写真右)グループ討論で問題を解決します!

 

授業探訪 医学部の授業を見てみよう!【後編】

INTERVIEW 授業について先生にインタビュー

世界で通用する医師になってほしい

私は長年、アメリカで研究と医学教育に携わってきました。2年前に北海道大学に赴任し、日米の医学教育の差を痛感しました。優秀な学生が大勢入学するのですが、卒業する頃には彼らの才能が無駄になっているケースが多すぎるように思えました。将来この学生たちの中から各分野の世界的リーダーを輩出したいという思いから、英語で世界レベルの講義を受けさせたい、海外のトップクラスの講師を招きたいと考えるようになりました。そこで、世界を初めから意識したこの授業が生まれたのです。

授業のほとんどは英語で行います。ただし、必ず理解してほしい基本的なことは、日本語で講義をしています。また、問題解決能力を身につけてもらうため、コミュニケーションを通じた学びを重視しています。基本的な知識の学習は予習として済ませてもらい、授業自体はディスカッションを中心に構成しています。北大オープンエデュケーションセンターのサポートのもと、海外講師との双方向的講義とそのビデオ教材化を実現しました。また、各回の予習ビデオの内容や小テストの正答率、ディスカッション時の相互評価などを成績に加算し、試験だけではなく、グループへの貢献度や日頃の授業への臨み方も評価しています。

学生には試験勉強ではなく、毎回の授業での理解を大事にしてほしいと考えています。なぜなら、試験勉強のために暗記したことはすぐ忘れてしまいますが、一度理解したことは定着するからです。さらに、その理解を駆使して多くの学生が海外講師と積極的に議論してほしいと思っています。この授業を通じて、将来の日本の医学、ひいては世界の医学をリードする人材が育つことを期待しています。

小林 弘一先生
北海道大学大学院医学研究院 免疫学教室 教授
テキサスA&M大学医学部 免疫微生物学 教授

学生からの声

刺激的な世界トップレベルの授業

4年 岩見 謙太朗
最も魅力的だったのは、世界のトップクラスの先生方から直接授業を受けられたことです。リアルタイムで話を聞き、質問もできるというのは、非常に刺激になりました。また、USMLEを用いた試験もあり、アメリカの医学生がどんな勉強をしているのかを知ることもできました。

これぞ北大精神!

3年 中村 恒星
授業も教材も工夫されていて、飽きさせない面白さがあります。また、第一線で活躍されている先生はやはり見ている世界が違うため、自分の現在地を確認できるという意味でも価値があると感じました。北大の精神である「Boys & Girls be Ambitious」を体現している授業だと思います。

大きな達成感が得られます

3年 中駄 勇太
予習ビデオの作成は大変でしたが、主体的に取り組めますし、その学びを活かして授業に臨むことができるのは良かったです。英語の聞き取りは難しいですが、セーフティーネットもあるので安心です。何より、やりきった時の達成感は非常に大きなものがあります。

今後に活きる貴重な経験でした

3年 朝陽 俐那
グループワークにはとにかく夢中で取り組みました。座学に比べて学生同士が団結し、かつ集中して臨める授業だと思います。初習の免疫学を英語で理解するのは大変でしたが、日本にいながらこのような貴重な経験ができたことは、将来きっと役立つと思います。