Doctors’ Style
Doctors' Styleは、医師としてのキャリアや患者さんとの関わり方、医療への思いなどについて、医学生や医師が、診療科や経験年数にとらわれず対等に話し、学び合う場を目指して活動しています。
――設立・参加の経緯を教えてください。
正木:医師になってから患者さんの死を目の当たりにするたび、私は周囲の淡々とした様子に違和感を抱いていましたが、この悲しみをどうすればいいか、先輩や同級生に相談しても「そういうものだ」という反応で、深く掘り下げられることはありませんでした。結局、仕事に追われるかたちでその悩みを棚上げにしていたのですが、当時学生だった道振先生との出会いが、設立のきっかけになりました。
道振:当時僕は実習中のある体験から、患者さんとの関わり方について疑問を持っていました。患者さんを症例として扱うのではなく人として接したい。この悩みを正木先生と共有できたことで、「同じように悩みを抱える人が集まって話せる会を作ろう」という話になったのです。
正木:医師としての幅広い悩みごとを語り合う場を作りたかったので、学生から直接相談を聴き、それに合わせて対応することから始めました。
徳丸:私は、部活や医学部の勉強のことで行き詰まり、医師としての将来についても不安を抱き始めていた頃、SNSで偶然この活動を知って参加し始めました。
野島:僕は留学のタイミングについての悩みがきっかけでした。学生の悩みに応じて、正木先生がご自身の人脈からドクターをお呼びするかたちが、まさに今の自分にぴったりだと感じて参加しました。
――参加者にはどのようなことを学んでほしいですか?
道振:医学生や研修医には、医師の姿に「正解」はないと知ってほしいですね。世の中には様々な視点を持った様々な人がいるとわかるだけでも、心の負担は軽くなると思うのです。
徳丸:人にはそれぞれ強みがあります。患者さんと親身に接したい医師もいれば、科学的に症例を分析したい医師もいます。この活動を通して医師の姿は多様であって良いと感じてもらいたいですね。
正木:医師にとっては、自身の医療観を振り返るきっかけにしてほしいです。働くなかで理想は摩耗していきますが、ここで診療科も立場も年齢も越えた様々な人たちと話し合い、医療への純粋な気持ちに立ち戻ってほしいと思います。
――読者の方にメッセージをお願いします。
野島:様々な立場の人に悩みを投げかけたり意見を仰ぐと、新たな気付きを得ることができます。将来医師になった時、ここでの経験は代えがたいものになるだろうと感じています。ふとした時立ち返ることができる拠り所として、Doctors' Styleを頼ってみてください。
正木:疑問や悩みのある方、お越しをお待ちしています。

Doctors' Style代表
HEAVENESE
専属医
正木 稔子

済生会
宇都宮病院
整形外科
道振 康平

東京医科歯科大学
医学部附属病院
研修医2年目
徳丸 友美

獨協医科大学
医学部医学科
5年
野島 大輔