大学紹介
愛知医科大学
【教育】豊かな人間性と国際的視野を持った医師の養成を目指して
愛知医科大学医学部 教務部長 細川 好孝
愛知医科大学は、人間の尊厳を守り、ヒューマニズムに徹することができる豊かな人間性を備え、常に医学の進歩に対応して高度の知識・技術を体得できる医師を養成することを目標としています。また、地域医療に奉仕し、医学・医療における国際貢献にも参画できる医師の育成に努めています。このような目標の下、平成25年度に抜本的な医学教育カリキュラムの改正を実施しました。今回の改正では、医学教育の国際基準を見据えながら、低学年では医師としてのコミュニケーション能力やプロフェッショナリズムの養成を図り、高学年では臨床実習を大幅に充実させました。
本学では低学年より、医学へのearly exposureの機会を増やすように工夫しています。「医療人入門」では、早期から医師としてのプロフェッショナリズムの養成に努めています。基礎医学セミナーでは、基礎医学教室に配属して教員との交流を図り、先端の医学研究を体験してもらい、その成果を学会発表や論文発表する機会を与えています。PBL-チュートリアル教育を導入して、能動的な学習の場を用意し、問題発見・解決能力の養成を図っています。高学年では、高齢医学や東洋医学といった特色ある科目も開講されています。また、「地域医療学」では地域医療を担っている現場の先生から、地域医療に密着した医療現場を学ぶ機会を設けています。本格的な臨床実習の準備として、臨床推論能力の養成を目指した「臨床実習入門」を新たに開講しました。平成25年度から臨床実習の総時間数を増加させ、医学教育の国際基準に向けた診療参加型臨床実習の充実を図りました。臨床実習では、これまで学んだ知識の総合化を図り、卒後教育への橋渡しを目指します。また、海外との交換留学を積極的に行い、米国の南イリノイ大学やタイのコンケン大学との国際交流を進めています。
このように、これまでの自由度が高いカリキュラムを維持しながら、豊かな人間性と国際的な視野を持った医師の養成を目指して、特色ある医学教育を推進できるように今後とも努力を重ねていきたいと考えています。
【研究】愛知医科大学における先端医学研究
愛知医科大学先端医学研究センター センター長 住友 誠
愛知医科大学では、平成24年4月に先端医学研究センターを発足いたしました。本センターは「研究企画部門」「高度先進医療研究部門」「臨床応用研究部門」の3部門から構成されており、その主要な目的は本学における「臨床研究」の推進と新たな「研究シーズ」の開発です。臨床研究を実施するためには研究計画実施書すなわち研究プロトコールの作成が重要で、プロトコールには研究の背景、目的、研究実施方法、データ収集方法、データ解析方法などが適切に記載されなければなりません。「研究企画部門」では臨床疫学、生物統計、企業治験、臨床薬理の専門家が業務支援を行います。また、「高度先進医療研究部門」では本学で厚生労働省の先進医療承認を受けた2つの研究:難治性腫瘍を対象にした「自己腫瘍(組織)を用いた活性化自己リンパ球移入療法」とリンパ系造血器腫瘍を対象にした「微小残存腫瘍量の分子生物学的測定法」の推進と発展を目的にしています。「臨床応用研究部門」では新たな研究シーズの開発を目的として「痛み」と「難治性腫瘍」を研究テーマに掲げ、「慢性疼痛」の病態メカニズムの解明や「がん転移」に関わる遺伝子の機能を解析中です。今後は、「分子イメージング」や「再生医療」の分野にも注目し、トランスレーショナルな最先端医学研究を推進していきたいと考えています。
本センターの使命として最重要な点は、学内の研究室の閉鎖性を取り除き、研究室間の交流、融合を促進するとともに、学外へ研究成果を発信することであると考えています。本センターが掲げるプロジェクトを遂行するためには、本学の大学院生を含めた若い世代の方々の参画が不可欠です。本センターはこのような若き研究者が研究協力活動を推進するための拠点化も目指しています。志のある方々の研究参加を期待いたします。
【学生生活】学生の活動を応援してくれる大学
愛知医科大学医学部 5年 小島 あゆみ
同 5年 安藤 克敏
小島:愛知医科大学は学生の自主的な活動を応援してくれる大学だと感じています。実は以前は1、2年生で留学をする枠組みがなかったんです。そこで私たち2人が発起人になってHIAMUという留学のサークルを作ったんですが、サークル設立時には学生課にご協力いただきましたし、大学の先生に仲介をお願いしてドイツのルール大学との留学も始めることができました。最初は私たちを含めて7人くらいの小さなサークルだったのが、今は70人が所属する部活になっています。
安藤:今のHIAMUの主な活動は留学とボランティアの2つです。留学だけだとどうしても不定期な活動になってしまうので、小児ボランティアにも興味があったため、始めようと思いました。月に1回大学病院の小児科病棟に行って患者さんと接する機会をいただいているほか、退院した子どもたちと夏休みにキャンプへ行ったりもしています。
小島:愛知医科大学には「医師キャリア教育」という授業があって、自分たちのキャリアプランに関してディスカッションを行います。私のグループは全員女子だったのですが、「10年後の自分」というテーマについて「仕事と家庭を両立したいけど難しそう…」とか「留学したいから研修先をどうしたらいいか悩む」などいろんな意見が出ました。愛知医科大学には1学年に40人くらい女子学生がいるので、大学としても女性医師のキャリアプランを応援して下さっているように感じます。
安藤:理想の医師像に向けて逆算していった時に、学生時代にやりたいことを学生課や先生方がバックアップして下さるのはとても助かります。平成25年度から開講した基礎医学セミナーのような講義がなかった頃、そういう経験をしてみたいと先生にお願いしたところ快く引き受けて下さったんです。研究テーマをもらって指導していただいたお陰で、学会発表までさせていただきました。カリキュラムにないものでもお願いしたら最大限支援してくれる雰囲気があって、それはこの大学に入ってよかったと思うところです。
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- 医師への軌跡:曽田 学先生
- Information:October, 2013
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- 同世代のリアリティー:芸術の分野で生きる 編
- NEED TO KNOW:患者に学ぶ(周期性ACTH-ADH放出症候群)
- チーム医療のパートナー:医療ソーシャルワーカー
- 10年目のカルテ:呼吸器内科 光石 陽一郎医師
- 10年目のカルテ:呼吸器内科 武岡 佐和医師
- 医師会の取り組み:沖縄県医師会医学会賞(研修医部門)
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- 日本医師会の取り組み:医療における消費税問題
- 医師の働き方を考える:産科医としての臨床経験を活かし、公衆衛生の分野で管理職として働く
- 医学教育の展望:救急を基盤とした研修で大学と市中の両方を経験
- 大学紹介:弘前大学
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- 日本医科学生総合体育大会:東医体
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