大学紹介
東京医科大学
【教育】ICTを活用し能動的に学んでいます
東京医科大学 医学教育学講座 教授 泉 美貴
東京医科大学は、「自主自学」を建学の精神とし、学生によって設立された世界でも稀有な医科大学です。自主的で能動的な学習を促進する手段として、本学では学習にICT(情報通信技術)を積極的に活用しています。2011年にはeラーニングシステム「e-自主自学」を導入し、パソコン・タブレット等からいつでもどこでも利用できるようにしました。学生と教員が「e-自主自学」上で双方向に意見を交換し、学生のレポートや教員からの評価・フィードバックもこれで確認できます。「e-自主自学」には、授業中のスライドや動画が掲載されていますので何度でも復習でき、サイト内の小テストを解くことで、学生は知識の定着を、教員は学生の理解度を測れます。現在、特に力を入れているのが「e-ポートフォリオ」です。これは、入学から卒業までの6年間に学んだ内容を蓄積していくシステムで、授業の提出物や教材を学習過程のエビデンスとして残すことができます。学生自身がポートフォリオを定期的に振り返ることで、気づきが生まれ、医師になるという目標への到達度を自らが評価し、さらに教員はきめ細かな支援が可能となります。授業では、教室の机上にボタンで解答できる機械を常設しています。学生は教員からの出題に解答し、説明がわからない時には「もやっとボタン」を押して教員に再度説明を求めることができます。さらに問題をチームで考えて解答することにより、協同的かつ参加型の授業を展開できます。
東京医科大学は、2016年に創立100周年を迎えます。それに先立ち、2014年の新入生から新カリキュラムを導入します。本学における教育は、伝統的な受動的講義からICTを積極的に活用した能動的講義となり、真の「自主自学」の場へと進化していきます。
【研究】東京都心から医学情報を発信
東京医科大学 副学長 水口 純一郎
東京医科大学は、東京の中心である新宿に位置する都市型の大学です。「正義・友愛・奉仕」を校是とし、建学の精神である「自主自学」に基づき自らが積極的に学び、医学の発展を通して人類に貢献できる人材を養成することを目的としています。
2016年に創立100周年を迎える本学は、政府や産業界からの資金援助を受けて、患者さんの治療を通じた「臨床研究」から、病気の仕組みや治療・予防法を開発するための「基礎・社会医学研究」まで、多岐に渡る研究に取り組んでいます。
大学院医学研究科では、過去10年間で682名に博士の学位を授与しました。現在、修士・博士課程には、医師をはじめ薬剤師、留学生など200名ほどが在籍しています。働きながら学位を取得できる社会人大学院制度を整備し、多様なニーズに応えています。
21世紀の医療・医学研究をリードすべく、昨年、教育研究棟(自主自学館)が竣工し、新大学病院も着工予定です。従来の医学専門分野に加え、医学総合研究所、遺伝子治療室、細胞工学センター、ロボット手術支援センターなどを有機的に配置し、良好な研究環境の構築・維持に努めています。
近年、医療に対する市民のニーズは多様かつ高度化していることにより、医師は幅広い視野をもち、専門領域を深く学ぶことが必要とされています。また、医学は生物学を基本とし、物理・化学の言葉で語られるようにもなってきています。研究科では、大学院制度を改変すると共に、国内外の大学・研究機関との連携や共同研究、さらに産学連携を推進することにより、社会に奉仕できる多様な人材の育成を図っています。
医師には目の前の患者さんに役立つ医療と共に、次世代のための臨床・基礎研究が求められています。病気の仕組みを理解し、新しい診断法・治療法を開発することは、地域住民の健康増進と共に人類の福祉向上にも寄与します。また、研究で養った探究心・研究心をもって患者さんを診ることは、医師の技術や素養の向上につながります。
【学生生活】都心の充実した環境下で、支え合える仲間と共に
東京医科大学医学部医学科4年 岩崎 源
同 4年 近兼 絵里香
岩崎:僕は祖父と姉も東医出身で、入学前から「東医は同窓意識がとても強い」と言われていました。実際に入ってみて上下のつながりは強く感じます。例えばうちは循環器の授業が難しくて有名なんですけど、3年の春休みに4年の先輩がオリジナルのプリントやスライドを作って予習授業をしてくれました。あくまで自発的なものなんですけど、毎年行われる伝統のようなものになっています。
近兼:試験についても皆で一緒に乗り切ろうという雰囲気があって、CBTを前にした4年の夏休みには有志で1泊2日の勉強合宿に出かけます。6年でも国試に向けての合宿をするみたいですし、チームワークが強いなと感じます。
岩崎:僕の印象に残っている授業は1年次の課題研究です。まだ医療の知識がない1年生が班に分かれて医療に関わるテーマを与えられ、自由に課題を設定してディスカッションする授業です。「緩和医療におけるモルヒネ使用について」や「朝青龍の歯の噛み合わせについて」など班ごとに自由な議論をしました。
近兼:東医は都心新宿に位置していて繁華街の歌舞伎町などにも近く華やかですが、学生は皆しっかり勉強をする真面目な人が多いイメージです。都心で色んな刺激を受けながら学生生活を送っていると、将来研究をしたりキャリアを積んだりするにはベストだなと感じる反面、どこか田舎の方で地域に深く密着した臨床をしたいなと思うこともあります。
岩崎:僕は東京に残って医師をするのもいいかなと思っています。この立地の良さを活かせば勉強会や留学などとても多くの選択肢があると思いますし、オリンピックの開催が決まったことで災害医療など都心ならではのテーマに取り組む機運が高まっていると感じています。
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- 医師への軌跡:窪田 泰江先生
- Information:January, 2014
- 特集:チーム医療への誘い 多職種連携の現在と未来
- 特集:EPISODE #01 精神科救急
- 特集:EPISODE #02 創傷治療
- 特集:EPISODE #03 血管内治療
- 特集:EPISODE #04 在宅医療
- 特集:多職種連携の現在と未来 日本医師会副会長・今村 聡先生に聴く
- 特集:地域のリソースを知り、 連携ができる医師を育てる
- 特集:多職種連携をテーマとした学生イベント
- 医学教育の展望:地域のニーズに応じた継続的な多職種連携教育
- 同世代のリアリティー:接客業(CA) 編
- NEED TO KNOW:患者に学ぶ(潰瘍性大腸炎)
- チーム医療のパートナー:言語聴覚士
- 地域医療ルポ:三重県津市|久藤内科 久藤 眞先生
- 10年目のカルテ:救急科 相坂 和貴子医師
- 10年目のカルテ:救急科 土谷 飛鳥医師
- 10年目のカルテ:救急科 椎野 泰和医師
- 日本医師会の取り組み:医療事故調査制度の創設
- 日本医師会の取り組み:産業医の役割
- 医師の働き方を考える:「地域の世話焼きおばさん」として、子どもからお母さんまで見守る
- 大学紹介:東京医科大学
- 大学紹介:富山大学
- 大学紹介:近畿大学
- 大学紹介:産業医科大学
- 日本医科学生総合体育大会:東医体
- 日本医科学生総合体育大会:西医体
- 医学生の交流ひろば:1
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- 医学生の交流ひろば:3
- 医学生の交流ひろば:4
- FACE to FACE:香田 将英×小池 研太郎