医師は過酷な勤務環境のもとで働いていると言われます。
日本医師会「勤務医の健康の現状と支援のあり方に関するアンケート調査」(2009年)によると、休日が月に4日以下の勤務医が46%、平均睡眠時間6時間未満の勤務医が41%、自宅待機が月に8日以上の勤務医が20%…と、休息の時間や休日は少ないようです。
一方、国民が24時間365日必要な医療を受けられるようにするためには、医師の当直や自宅待機は不可欠です。しかし前日や翌日の診療を休めるわけではなく、当直明けに睡眠不足で働く医師はあまり減っていません。わが国が世界に誇る優れた医療体制は、医師の献身に支えられていると言っても過言ではないのです。
医学生の多くも、「休むことよりも、医師としてのやりがい/仕事の内容の方が重要」ととらえています。
昨年度の調査*1では、職場選択において「仕事のやりがい/どれだけ必要とされるか」を「休日にちゃんと休めるか/休暇の取得状況」よりも重視する傾向が見られました。先輩たちも「若いうちに激務を経験して医師は成長する」ということが多いため、「やりがいがあり必要とされるなら忙しいのも仕方ない」という考え方が支配的なのでしょう。
しかし近年、医師の過労やメンタルヘルスの不調が問題視されているのも事実です。どんなにやりがいがあり必要とされる職場であっても、医師が心身の健康を崩して働けなくなってしまったら、医療体制は成り立たなくなってしまいます。医師が過酷な環境に「耐えながら」ギリギリのところで働くのではなく、「やりがい」を感じながら、働きやすい職場で仕事を続けていくためには、どうしたら良いのでしょうか?
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