大学紹介
関西医科大学
【教育】6年一貫教育で、教養と専門知識をバランスよく兼ね備えた医師を育む
関西医科大学副学長・教務部長 友田 幸一
本学は昭和3年に大阪女子高等医学専門学校として創設され、その後、大阪女子医科大学、さらに昭和29年からは男女共学の関西医科大学として、7,600人余りの卒業生を送り出してきました。本学の教育の理念は建学の精神「慈仁心鏡」に則り「人間性豊かな良医の育成」をすることで、医学および医療の専門職として必要な知識と技術を身につけるとともに同時に幅広い教養と人間性を兼ね備えた医師を育てることです。この目的を達成するために、平成25年度から教養教育と専門教育が6年一貫教育の枠組みの中でバランスのとれたカリキュラムとなるように改訂されました。
心浮き立つ第1学年から医学の魅力をまず教えるために、Human Biologyの講義を取り入れ、健康な体をまず学び、早期体験実習、シミュレーション実習に進んで行きます。第2学年からは、医学の基礎を学ぶ最も重要な期間で、新しく将来科学者を目指す研究医養成コースに2名枠を設けました。第3・4学年は医学教育の中間期で、共用試験による学力のチェックと、本学の特徴である完全型チュートリアルを導入しました。この時期は自分の将来を見据える大事な時期で、最長7週間の配属実習の中で、自由・自律・自学の精神を養います。第5・6学年は、Student Doctorとして、集大成の時期で、患者さんから学ぶ人間ドラマが展開されます。この時期は国試対策が中心になりがちですが、本学は、最後まで熱心に実習を行っています。85年の歴史を継承し、関西医大は進化し続けます。
【研究】研究を伝統にしてきた私立医科大学
関西医科大学大学院 教務部長 中邨 智之
本学の教育理念に「自由・自律・自学の学風のもと、学問的探求心を備え…」とあり、教育目標のトップが「科学的な観察力・思考力・表現力を身につける」であるように、本学では伝統的に医学研究を大切にしてきました。特に充実しているのが綜研とよばれる共同実験施設で、セルソーター、質量分析機、電子顕微鏡、多光子顕微鏡、質量顕微鏡といった幅広い分野の最先端機器を揃えるだけでなく、それらを学内の誰もが使えるように専任の技師3名がサポートしています。平成25年度に移転した枚方新学舎では綜研は広くなり、よりいっそう機能的になりました。新たに臨床系綜研というオープンラボを設け、講座間の垣根を越えた共同研究の推進を図っています。また最新鋭の動物実験施設も整備されました。このように充実した研究環境の枚方新学舎とすでに実力が高く評価されている附属枚方病院(ダイヤモンド社の病院ランキングで3年連続大阪No.1)が直結したため、臨床研究・トランスレーショナルリサーチが加速すると期待しています。
CRESTやNEXTなどの大型研究費を個人で獲得する教授も多く、その研究レベルの高さは定評がありますが、平成25年度から大学として支援する研究分野に「がん研究」「再生医療研究」を選び、それぞれのコンソーシアムを作って研究を推進しています。大学生にも研究のおもしろさを理解してもらうため、3学年で研究室に配属して3週間から7週間研究に参加するというカリキュラムになっています。それだけではなく、平成25年度入学生からは「研究医養成コース」という特待生コースを設けました。これは在学中から研究に継続的に参加することにより、卒後スムーズに博士号を取得して医学研究をリードする人材を育成するというものです。モチベーションの高い学生の参加を期待しています。
【学生生活】様々な医療の現場に、学生のうちから積極的に参加していく
関西医科大学 4年 日垣 太希
同 4年 金 宏美
日垣:関西医科大学の良い所の一つに、各教室が主催している海外での医療を学部生のうちから体験できる点が挙げられると思います。希望する学生は公衆衛生学講座が主催しているラオス僻地の巡回診療に参加したり、眼科学講座が毎年ネパールで行っているボランティアに付き添わせてもらったりしています。
金:私は、1年生の夏休みの実習で、救命救急センターに行って4日間救急の最前線を見せてもらったのが印象深いです。まだ1年生の段階で何かできる訳ではなかったんですけど、胃洗浄をさせていただいた時には、「ずっと夢見ていた現場に立てたぞ」という実感が湧きました。救命救急センターには今でもよく見学しに行ったり、研修会に参加させていただいたりしています。
日垣:3年次にはエスコート実習があります。初診の患者さんに許可をもらって、診察・検査・入院手続きなどを経て、その日の会計が終わるまで付き添うんです。患者さんが病院の中でどう考えてどう動いてらっしゃるかを学ぶのが趣旨で、かなり緊張したんですが、話を聞いてくれるだけで不安が和らぐと言っていただいて、やって良かったと思いました。
金:関医大は元々女子医専だったこともあって、女性医師が働きやすい職場作りに力を入れているそうです。女性医師が救急に行っても子育てと仕事を両立できるようにしたとおっしゃる先生がいるので、恵まれた環境だなと思っています。
日垣:僕個人としては、海外への留学制度があることも関医大の大きな魅力だと思います。毎年10人弱くらいの枠があって、6年次の4月に1か月間アメリカやカナダ、マレーシアなどの大学に留学できるんです。留学先の大学はコロンビア大など先進的な所も多いので、僕も手を挙げようと思っています。
※医学生の学年は取材時(2014年2月)のものです。
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