医学連第31回定期全国大会

日本医師会中川副会長講演
(取材:ドクタラーゼ編集部)

全日本医学生自治会連合(医学連)は全国26大学の自治会が加盟する日本唯一の医学生自治会連合で、全国の医学生が充実した環境で学べるよう大学と交渉したり、全国医学生ゼミナールを支援して学習の場を提供したりしています。
2014年3月21日~23日に、医学連の第31回定期全国大会が行われ、日本医師会の中川俊男副会長が大会2日目に「医学部新設と医師養成」について1時間の講演を行いました。
講演では医学部新設に関する今までの歴史を概説したうえで、医学部を新設するためには地域の医師の多くを教員にしなければならないため地域の医療資源が減少してしまうこと、今後人口が減少するなかで医学部の新設を行うと医師養成数を柔軟に見直しにくくなることなどの問題点が提示されました。そのうえで中川副会長は、日本医師会の医師養成についての提言を解説し、将来的な地域医療の崩壊を招くと言われている医師の偏在についての解決案を学生に説明しました。
質疑応答の時間には、学生から「今後高齢化が進むと増々医師不足が進むのでは」「現在の医学部の臨床実習は見学型が多く、モチベーションの高い学生のニーズを満たせてないのでは」といった意見が聞かれました。それを受けた中川副会長は「皆さんが医師になった後も、ぜひ日本の医療制度について意見を発信し続けて欲しい」と応えました。
日本医師会では、今後も医学生と議論を交えつつ、より良い医師養成に関して各方面へ提言をしていく予定です。

Medical Future Fes2014今年も開催!
8/23[Sat]~24[Sun]

MFF2014実行委員会

2013年8月に開催されたMedical Future Fes 2013は、「医療界で活躍する先輩と、仲間と、10年後の医療を一緒に考えよう!」 をテーマに、豪華ゲストによる講演・各地方の学生による企画・学生団体企画・アプリ開発コンテストなど、全21の企画が勢揃いでした。
イノベーターセミナーでは、医療国際協力・女性医療者キャリア・医療IT・医療ビジネスといった医療との融合分野の第一線で活躍されている方に、その分野についてのレクチャーをはじめ、これからの医療人に求められるものや、学生生活の過ごし方についてお話しいただきました。地方・学生団体企画では、各地方・各団体の学生の活動や想いを共有し、視野を広げるきっかけになったと思います。
今年も8月23~24日にMedical Future Fes 2014を開催します!「君のワクワクを見つけよう」をテーマに、医療系アプリ開発コンテストApplicareをはじめ、講演会・ワークショップ・ビジネスコンテスト・ファッションショー・ミス&ミスターコンといった企画を考えています!交流スペースも設置予定で、全国の医療系学生と知り合えるチャンスです。今年は2日間の開催で、1つ1つの企画をより楽しんでいただける構成になっています。1日のみの参加もOKです。夏休み、とびっきりのワクワクを体験してみませんか?

現在スタッフを募集中です!今までの学生生活にはなかった新しい刺激を得られます!イベント運営経験・学部・学年は問いません。興味がある方は、ご連絡ください。
E-mail:medicalfuturefes2014[a]gmail.com([a]をアットマークに変えてください)

 

MFF

臨床推論勉強会「ミステリーケースセッション」

東京大学大学院医学系研究科医学教育国際研究センター

カナダで長年臨床推論を教えてこられた総合内科医ジョイス・ピカリング先生による、全9回の臨床推論勉強会が開催されました。模擬患者となる学生以外、誰も診断名を知らない「ミステリーケース」。ピカリング先生と参加学生が一緒になって問診や身体診察を行いながら、ミステリーを暴いていきます。
先生から、病歴・身体所見からどのようにして鑑別診断を考え、挙げられた診断候補からどのように確定診断に至るかを教えていただきました。一般の授業や教科書で学ぶときはどうしても、疾患→よくある症状という順番で覚えることが多いと思いますが、実際の臨床の場では、病歴と身体所見から診断を絞っていくことが重要となります。
When you hear hoofbeats, think horses, not zebras.(ひづめの音が聞こえるときには、シマウマではなく馬を思い浮かべなさい)という言葉があります。症状に対応するめったに起らない疾患を想定するよりも、よくある疾患(common disease)のまれな症状だと考える姿勢が重要であるということを、この勉強会を通して学びました。
先生はこの3月で帰国されますが、4月以降も、東京大学医学教育国際研究センターの孫講師がこの「ミステリーケースセッション」を月1回で継続する予定です。大学を問わず、興味のある方の参加をお待ちしています。その他にもプライマリ・ケアや家庭医療について学ぶ「プライマリケア研究会」なども定期的に開催されています。
いずれも、問合せは担当の孫まで(sond-tky[a]umin.net)([a]をアットマークに変えてください)。

ミステリーケースセッション


No.9