公益社団法人 日本医師会 女性医師支援センター

女性医師の働き方―Stories―

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周囲のサポートを受けながらライフステージに合わせて働き方を選べる
【腎臓内科】岩永 みずき医師
(赤心堂病院 内科)

腎臓内科と透析治療

――はじめに、腎臓内科とはどんな診療科なのか、簡単に教えていただけますか。

岩永(以下、岩):腎臓内科では、腎臓に対する内科的治療を総合的に行います。その一つは慢性腎臓病の管理であり、当院でも力を入れているところです。

慢性腎臓病に関しては、まずは腎機能の温存に努め、透析導入の時期をできるだけ遅らせることが重要です。食事療法・薬物治療によって、腎臓に負担をかけないよう働きかけます。

腎機能がかなり低下し、浮腫など様々な症状が出るようになった患者さんに対しては、人工透析を導入します。透析導入に向けたシャントの造設をはじめ、透析導入後の通院・生活設計についても相談に乗ります。

――先生は、どうして腎臓内科を志されたのでしょうか。

:正直、学生の頃は「腎炎というものがある」「中には腎臓が悪くなって透析に至る人がいる」と知っている程度で、腎臓内科に具体的なイメージは持っていませんでした。でも、臨床研修で腎臓内科に来てみると、透析にも血液透析・腹膜透析など様々な種類があり、患者さんの状態、社会生活などを踏まえたアプローチができることなどを知りました。また、腎臓は循環器疾患・膠原病など他科の様々な症状にも関わっており、全身を診られることも知り、興味を持ちました。

また、腎臓病があると、他の様々な病気の治療法にも制限が生じます。腎臓病患者であるがゆえに他科で診てもらえない患者さんの役に立てたらな、と思ったことも動機の一つでした。

――現在は、透析関連の診療がお仕事の中心なんですか。

:はい。市中病院だと透析に関わる仕事の割合が大きくなりますね。私は現在子育て中で週4日勤務なのですが、うち1日は内科の外来に出ていて、残りの3日はずっと透析患者さんを診ています。

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患者さんと密に関わる

――高齢化で、腎臓内科の医師の需要は高まっていますよね。

:そうですね。腎機能が低下している人は増えていますから、慢性腎臓病を診ることができる私たち腎臓内科医は、他科の先生方にも重宝していただけているのかな、と感じます。

――何人くらいの透析患者さんを担当されているのですか?

:当クリニックでは190床程度を3人の医師で担当しており、私が担当する患者さんは90人くらいです。どの方とも週1回は必ず顔を合わせますし、状態が悪かったりすると、週3回診察することもあります。

――患者さんとの関わりが密になりそうですね。

:はい。患者さんとしっかりコミュニケーションをとることは、腎臓内科医にとって不可欠です。どんな治療を選ぶのかということも、患者さんの特徴によって決まる部分が大きいですから。例えば透析ひとつをとっても、どの種類の透析を選ぶかによって、患者さんへの負担や、必要な自己管理の種類・度合いは違ってきます。その人がどんな性格で、どんな生活をしているのかなどを考慮しながら、どんな方法なら治療を続けられるか、一緒に考えていきます。

――慢性腎臓病では、患者さんの自己管理も重要なんですね。

:どうしても思うように治療を続けられない方もいらっしゃいます。医師からの働きかけだけでは足りない部分もあるので、看護師さんや管理栄養士さん、臨床工学技士さんとも役割分担して、それぞれの患者さんに合わせたアプローチをしています。

女性医師としてのキャリア

――子育てとお仕事を両立されていますが、苦労していることはありませんか。

:現在子どもが4歳なのですが、私は幸いなことに、子育て中でも働きやすい職場に出向させていただいています。週4日、8時半~17時勤務でも常勤扱いにしていただいていて。医局がライフステージに合わせた働き方の相談に乗ってくれることは、大変ありがたいですね。

また、勤務時間が短くてどうしてもできない業務については、周囲の医師がカバーしてくれています。子どもを育てながらでも働き続けられているのは、周りのサポートのおかげだな、とひしひしと感じます。

――キャリアについて悩む女子学生も多いと思いますが、何かアドバイスはありますか?

:早いうちにできることをしておいた方がいいと思います。私は認定医・専門医を出産前に取得したのですが、これは本当によかったと思っています。育児が始まってしばらくは、どうしてもできることが限られてしまいますから。

――今は学位取得を目指していると伺いました。

:はい、将来の方向性はまだ決めていませんが、どういう道に進むにせよ、博士号は取っておきたいと思いました。出産前に取っておけば、と思う時もありましたが、医局の先輩には第三子を妊娠しながら研究を続け、出産後に学位取得した方もいるんです。身近にロールモデルがいることは非常に励まされますね。先輩に続けという心意気で、私も頑張っていきたいです。

岩永 みずき
2005年 埼玉医科大学医学部卒業
2016年10月現在 赤心堂病院 内科 診療副部長

転載元:ドクタラーゼ ※所属等は取材時のものとなります。

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