健康交差点No.6 エッセー 診察室から 前号 目次 次号
古代人が食べていたのは何?
酒井シヅ(順天堂大学医学部客員教授)

イラスト 古代人はどんな生活をしていたか、何を食べていたのだろうか。あるいは、どんな病気があったのか。近年、考古学の研究がすすんで、いろいろなことが分かってきた。

 それをどうやって調べるのだろう。実は、遺跡を調べるとき、便所を探す。便所の土を調べると分かる。土の中に、糞石という化石があれば、それを分析する。すると、魚骨や虫卵がでてくる。また、土を食品化学的に調べると、どんな穀類を食べていたかが分かる。このほか、墓を調べると、胃腸のあたりの土に、亡くなる直前に食べたものが残っていることがある。これらを調べた結果、古代人がカタクチイワシを食べていたことや、回虫、横川吸虫などの寄生がみつかる。寄生虫は古代から現代までどっこい生きていた。

 病気には古いもの、エイズのように新しい病、天然痘のように消えた病気がある。最近、筆者は、こうした話を『病が語る日本史』(酒井シヅ著・講談社発行)でまとめた。

診察室から 医師とお話していますか?
 病気や治療のことで何か分からないことがあったとき、気兼ねなく質問できる「かかりつけの医師」をもっていますか?

 「先生のいうとおりにしていれば大丈夫」という信頼感も大切ですが、病気は患者さんと医師の協力と理解があってこそ、克服できるものです。

 自分の病気や治療法に関する質問や要望は、どんどん医師に伝えてください。医師も、患者さんのことを第一に考えているのですから。

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