健康交差点No.39 エッセー 診察室から 前号 目次 次号
50年も前から7色の食事
藤田弓子(女優)

 私はあきれるほど健康だと思う。「どうして、そんなに元気なの?」ときかれると、「親が心をこめてしっかりした体に製作してくれたお陰です」としか答えようがない。

 しかし、日本中が貧しくてロクな食べ物もなかった戦後の育ちである。しかも、父を早くに亡くした母子家庭。ところが、2人だけの小さな食卓が、それはそれは豊かさに満ちていたのだ。季節のもの、旬のもの、珍しいもの、とにかくおいしいものが卓袱台狭しと並んでいた。未亡人という響きとは正反対のたくましい母はいい切る。「私は生きるために食べるんじゃない。食べるために生きるの」。そして、私には、「食欲は知識欲に通じる」と教え込んだ。

 現在7つの色(白・赤・緑・黄・茶・紫・黒)の食べ物をバランスよく食べろという風潮。わが家では50年も前から、そのように食べていた。さらに、好きなことを仕事にしているのだから、毎日、「おもしろい、楽しい」といって暮らせている。生涯現役の女優でいるためには健康あってこそだ。

診察室から 混合診療ってなに?(2)
 現在の日本の医療保険制度で、一部負担金以外に、患者さんから費用徴収を行うことが認められているのは、高度先進医療など特定療養費として定められている、ごく一部のものだけです。

 自由に「保険外」の診療をして、その費用を患者さんから徴収する、いわゆる混合診療を認めれば、お金のあるなしで、受けられる医療の内容が変わってくる恐れがあります。

 すべての人が平等に適正な医療が受けられる、現在の国民皆保険制度を守らなければいけません。

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