日医ニュース 第872号(平成10年1月5日)
年頭御挨拶
参議院議員
宮崎 秀樹
明けましておめでとうございます。私は昨年2月18日、本年7月の第18回参議院議員通常選挙の候補者として、日本医師連盟のご推薦をいただき、その重責を痛感いたしております。
昨年は健保法の一部改正による患者負担増、新たな薬剤負担等、医療・福祉分野の変革が行われましたが、限られた財源で効率のよい施策を行わなければならず、目前の21世紀の超少子高齢社会に対応する施策を講じるのは難事業であります。
一方、医療現場では、人口動態の変化や医療技術革新により、医療費が膨らむのは当然で、いたずらにこれを抑制することは非人道的ともいえ、とうてい容認することはできません。4月1日の2年に1度の医療費改定につきましては、その原資を知恵を絞って獲得し、何としても国民の医療を守る立場で医業経営の基盤の安定を図らなければなりません。
旧臘、第140回臨時国会におきまして、財政構造改革法案、第3次医療法改正案、介護保険法案が成立し、行政改革も不十分ながら決着をみました。私ども医療界にとって厳しいものばかりですが、まだこれから意見を取り入れる余地がありますので、私は、現場の声を聴きながら努力してまいります。
介護保険法は骨格法案で、厚生大臣が定めるもの65、政令で定めるもの92、同じく省令が160となっておりまして、300以上の項目がこれから決められるという、大変わかりにくい法律であります。介護認定問題、医療と介護の整合性の問題等、肝心の部分がまだ不明確なのです。
今後、政省令の中身の議論を徹底的に行う必要があり、絶対に目が離せません。私は微力でありますが、この問題を含めて、国政に医療現場の意見を反映してまいる所存であります。どうか、よろしくご指導のほどお願いいたします。
昨年は悪いことが続きました。本年は良い年でありますよう、皆様のご多幸とご活躍を祈念し、新春のごあいさつといたします。