日医ニュース 第873号(平成10年1月20日)
宮崎議員、徳洲会問題で緊急質問
〔12月11日参院厚生委〕
宮崎秀樹君:
現在、各地で、過剰病床地域にかかわらず、病院の開設が強行されようとしている。
医療法の第三〇条の三で、医療圏の設定と必要病床数を医療計画で記載すること、第三〇条の七で、「都道府県知事は、医療計画の達成の推進のため特に必要がある場合には、−(中略)−病院の開設または病院の病床数の増加若しくは病床の種別の変更に関して勧告することができる」と規定している。しかし、この規定に逆らって強行開設し、熊本県、鹿児島県では徳洲会病院が裁判を起こして、一審判決では徳洲会病院側の勝訴になっている。これでは、規定をまじめに守ってきた医療機関は、ばかをみることになり、地域の医療は混乱する。厚生省としてこれにどう対応するのか。
政府委員(谷修一健政局長):
医療計画の考え方に反する形で、新規病院の開設許可に至らざるを得なかったことはまことに遺憾だ。各都道府県において、それぞれが定める医療計画に沿う形での適正な医療提供体制が確保されるよう、各県を指導してまいりたい。
宮崎秀樹君:
指導だけではだめで、法的なきちんとした規制をかけるべきではないか。
政府委員(谷修一君):
医療法の問題だけではなくて、医療保険のうえでも対応するということで、従来、県の方に指導をしている。
宮崎秀樹君:
法律のなかでは何ともできないということになれば、われわれも考えなければいけない。
政府委員(高木俊明保険局長):
医療法上の勧告があるにもかかわらず、申請が出てくる場合は、私どもとしては保険医療機関の指定をしないという指導をしていく。
宮崎秀樹君:
ぜひ、断固たる態度で臨んでいただきたいと思う。