日医ニュース 第881号(平成10年5月20日)
国会審議より
宮崎参院議員が質問
キャップ制の撤廃を要求
[4月14日参院国民福祉委]
4月14日、参議院国民福祉委員会において、日医連推薦の宮崎秀樹参議院議員が、質問を行った。以下は、その概略である。
宮崎秀樹君:
昨今の景気低迷というなかで、政府は経済対策を打ち出すことを考えているが、私はそのことには賛成である。しかし、問題は財革法のなかの2%のキャップ制である。社会保障以外の分野では、建設公債なり、ある程度、財政的な措置はできると思うが、社会保障は特殊な事情があり、2%のキャップ制は外してもらわなければ、さらに国民の負担は増え、大変なこととなると思うがいかがか。
国務大臣(小泉純一郎君):
昨年の予算編成は、財革法の枠内でやり、全省庁がマイナス予算を組むというので、社会保障関係の予算の削減に協力した。いかに景気対策とはいえ、他の省庁の予算を増やすというのであれば、社会保障がそのままというのは承知できない。本年度の予算編成も厳しいことが予想されるなかで、もしも財革法を改正するのであれば、2%のキャップ制は考え直してほしいと考える。
宮崎秀樹君:
つづいて、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律案」についてだが、エイズ予防法のなかには、不特定多数の人に感染させる行為を知り得たときは、これを都道府県知事に通報するという規定があったが、今回はそれが全部なくなっている。これがなくなると、告発しないかぎり、予防にはならない。患者さんの人権と同様、一般国民の人権も守ることが国の責務だと思うが、いかがか。
政府委員(小林秀資君):
エイズの予防対策については、適切な医療による早期発見、早期治療の効果があらわれてきたことや国民の間に正しい知識が普及したことなどから、新法においてはこの規定を外した。実際に、他人を故意に感染させた場合には、刑事手続による適切な対応が図られると考えている。
宮崎秀樹君:
この問題に関しては、慎重な議論をお願いする。