日医ニュース 第886号(平成10年8月5日)
都道府県医師連盟委員長と日医連常任執行委員会の合同会議
日医連活動の強化等を協議
都道府県医師連盟委員長と日本医師連盟常任執行委員会の合同会議が、7月15日午後4時から日医会館小講堂で開催された。
この合同会議は、先に行われた第18回参議院議員通常選挙結果を受けて、急拠開催されたものである。
石川副委員長の司会で開会し、まず坪井委員長が次のようにあいさつした。
「今回の宮崎先生の選挙において、非常に残念な結果になったことの最大の原因は、比例代表名簿が16位であったということにある。自民党の14位までが当選したわけであるから、力の至らなさということで皆さま方にたいへんご迷惑をおかけし、また、宮崎先生ご自身に対して責任を感じている。
今まで、われわれとしては、日医が目指す国民医療の健全な確保という、目的意識を持って戦ってきたわけである。今後も、その基本的な方針に変わるところはない。ますます、われわれとしては、是は是、否は否という考え方で進めていきたいと思っている。あとは、協議のなかで十分にご意見を賜りたい」。
つづいて、宮崎秀樹議員があいさつに立ち、選挙の御礼と今後の協力を要請した。
「皆さま方からたいへん大きなお力をいただき、また、一生懸命やっていただいたにもかかわらず、このような結果に終わったことを深くお詫び申し上げるしだいである。これまで、微力であるけれども、国家、国民のこと、また、国民医療を守るという立場で日医の会員の声を代弁し、私なりに誠心誠意やってきた。私は、本日の協議の決定に従い、皆さまのご意思を尊重して行動をとる所存である。何卒、今後ともよろしくご指導、ご鞭撻を賜りますことを念じて、お詫びのごあいさつとさせていただきたい」。
このあと、石川副委員長の議事進行のもと、当日の議題「第18回参議院議員通常選挙の報告」「宮崎秀樹先生の処遇について」「今後の日本医師連盟活動の強化」について協議がすすめられた。
宮崎議員は、今後、日医連の参与として、日医連内に事務所を設け、引き続いて政治活動を継続することになった。また、今後の日医連活動の強化策としては、ブロックとしての対応の仕方を工夫することと、広報活動の充実を図ることがあげられた。
その後、各県からの質疑・意見が続出し、午後5時に閉会した。
なお、日医連は、7月13日に「参議院選をかえりみて」と題する坪井委員長の談話を発表した。
参議院選をかえりみて
今回の参議院選に当たっては、われわれの期待と裏腹に宮崎秀樹候補が自民党比例代表16位にランクされ、最悪の結果を迎えるに至った。今や日医連は憤懣やるかたない想いで一杯である。われわれは昨年7月来、独自の医療構造改革構想を政府与党に提示してきた。しかるに政府は、財政危機を理由に財革法を成立させ、社会保障の分野にも財政優先の原則を適用し、消費税の増税や不当な患者負担増を課すことによって、国民の受診抑制と老後の不安を増大させ、不況にいっそうの拍車をかける結果となった。
われわれは今日まで国民の立場に立って、幾度となくこのような政府の無策を指摘し、これを直ちに改めるよう強く働きかけてきたところであるが、残念ながら聞き入れられないまま今日に至っている。このような背景で行われた今回の参議院選挙の結果は、当然のこながら政府自民党の惨敗に終わり、国民から改めて厳しい政策転換を迫られることとなった。今後とも国政の場で、全国の各会員の意見を十分に反映して、「国民のための医療の実現」という従来からの日医の主張はなんとしても貫徹しなければならない。
今回の結果をみて、日医連としての力量不足を深く反省し、今後強い日医連に向けて何が障害となっているのか、何を除き何を取り入れるべきかなど十分に議論をつくして、国民や会員の期待に応えねばならない。
会員各位のご理解と、より建設的なご助言を期待したい。
平成10年7月13日
日本医師連盟