日医ニュース 第887号(平成10年8月20日)
ネパール王国 コパシ便り47
1、カラアザール
1980年以来、カラアザールがネパールで増えている。1992年以来、病院に登録されている患者数は毎年1500人前後、ここ数年は50人程度が死亡している。中間宿主、媒介者は体長2〜3ミリのサシチョウバエ。ハエといっても、蚊よりも小さいこの昆虫は、高くは飛べない。
そのため、住民が2階家を建て、2階で生活するようになれば、少なくとも50%以上の感染は予防できるとカラアザールの専門家はいっている。家屋の構造を変えることにより、病気を減らせるという希望ある見解ではあるが・・・。
2、待つことへの慣れ
先の見解に従えば、2階家を立てればカラアザールはかなりコントロールできるはずである。とはいうものの、金がないためか、どういうわけか、家屋の構造を変えようという動きはまったくない。予防接種などもその代表例であるが、何をすべきかわかっていても、この国では、なかなかそれが実行されない。国が、人が、それをやると決断し、それを実践しないことには何事も解決しないのに、ただじっと待っている。だれかが外からやってきて、問題を解決してくれる、そう思って、ただじっと待っている。そのだれかさん、外ではなく、内からこそやってきてほしいのだが・・・。