日医ニュース 第909号(平成11年7月20日)
医療審議会
「医療提供体制改革」をまとめ,
宮下厚生大臣に答申
医療提供体制について審議を重ねてきた医療審議会(会長・浅田敏雄東邦大名誉学長)は,七月一日,「医療提供体制の改革について」と題する中間報告をまとめ,宮下創平厚生大臣に答申した.診療録等の診療情報の提供のあり方については,最後まで開示の法制化をめぐって議論が分かれたが,引きつづき検討することとなった.
当日の審議会では,前回出された中間報告案について検討し,ほぼ原案どおり了承された.
報告書は,(1)入院医療を提供する体制の整備(2)医療における情報提供の推進(3)医療の質の向上―を改革の基本的方向としている.
内容としては,医療法に定められているその他の病床を,発症後間もない集中的な医療を必要とする患者グループと長期にわたる療養を必要とする患者グループに区分し,それぞれの病床において提供する医療サービスにふさわしい人員配置基準,構造設備基準を定めて体制の整備を行うこと,医療従事者側の自主的な取り組みや,三年を目途とした環境整備の充実をみて,診療情報開示の方策の取り扱いを検討すること,客観性がある情報や事実に関する情報など検証が可能な情報についての広告規制の緩和,臨床研修の必修化―などが盛り込まれた.
答申に先立って,前回の六月二十三日に開かれた日医の定例会見で,担当の宮坂雄平常任理事は,争点となった診療情報の開示の問題について,開示は医療行為と密接な関係にあることから,法制化すべきではないとしたうえで,「日医で作成した『診療情報の提供に関する指針』に基づいた医療従事者の自主的な取り組みを徹底させ,また,患者さんに情報の提供について理解していただくために広告も必要である.さらに,医師会に診療情報の提供に関する苦情処理相談窓口を設けて対応する」と述べ,医師の倫理規範として診療情報の提供を行い,そのためには環境整備を早急に行う必要性を強調した.
宮下厚生大臣は,答申後のあいさつで,「審議結果を踏まえ,平成十二年から改革を実施したい.この中間報告を基礎として検討を行い,国民医療を確保していきたい」と語った.
答申の最後では,皆保険制度下での医療提供体制と診療報酬制度は,一体のものとして機能しており,今後は診療報酬制度の見直しに際し,適切な評価を行うこと,介護保険制度等,諸制度との連携を図っていくことが,今後の課題とされている.
日医ニュース目次へ