日医ニュース 第923号(平成12年2月20日)

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平成11年度都道府県医師会勤務医担当理事連絡協議会
医師会の組織強化を目指して討議

 平成十一年度都道府県医師会勤務医担当理事連絡協議会が,十一年十一月十九日の午後二時から,日医会館小講堂で開催された.
 冒頭,坪井栄孝会長は,「国民の側に立った医療制度抜本改革にあたり,勤務医の担当する領域は少なくない」と述べ,「日医はこの協議会を重視し,病院勤務医にとってやりやすい診療報酬体系を作っていきたい」とあいさつした.

日医の四六・九%が勤務医,部会設立二十七道府県

 まず,西島英利常任理事が,勤務医の入会・勤務医部会設立状況などについて報告した.
 十一年八月一日現在の日医会員は十五万四百三十七人,うち勤務医七万五百四人で全会員の四六・九%を占め,昨年より〇・五%増である.勤務医割合は,鹿児島県(六二・二%)をはじめ十五道県で五〇%を越えた.逆に最も低いのは千葉県の二四・一%.
 部会設立は,新たに神奈川県を加え二十七道府県に達し,さらに二県が設立予定で,設立不要はゼロとなった.
 一方,日医代議員(六・三%),都道府県医師会の役員(一四・七%)および代議員(一五・二%)など要職の勤務医登用は依然低率であった.
 この後,十一年度全国医師会勤務医部会連絡協議会について,担当県の色川正貴茨城県医師会理事から報告と謝辞があり,次いで,次年度担当県の植木壽一鳥取県医師会理事からあいさつと開催要項について説明があった.

委員会答申「国民のための医師会づくり」

 つづいて,池田俊彦日医勤務医委員会委員長が委員会報告を行い,スムーズな入会,異動などは組織拡大の基本的要件であるが,議論の中心は「勤務医のかかえる問題」から「医師会がかかえる問題」にシフトしてきたと述べ,「組織的な強化を図ったうえで,国民のための医師会であることを会員に周知する必要がある」と強調した.
 会長諮問「医師会の組織強化への勤務医からの提言」について,医の倫理の昂揚,救急医療の充実,情報開示,リスクマネージメントなど,質の高い医療を提供して国民の信頼を得ることが組織強化の根幹と捉え,委員会答申に盛り込む意向を示した.
 次に,北海道,埼玉県,千葉県,徳島県からそれぞれ勤務医の活動報告があった.

勤務医連絡員が医師会活動を推進(北海道)

 道医師会員の六五・六%が勤務医であり,日医加入率(六七・四%)も高い.部会の設立は昭和六十一年で全国十二番目.
 榊山悠紀士北海道医師会常任理事は,主要病院に勤務医連絡員が配置され,「情報伝達や意見収集など医師会と勤務医のパイプ役を担っている」と制度の特徴を述べた.
 各ブロックに医師会役員が出向いて,懇談会,連絡員との意見交換会,年一回の全体会議などを通して勤務医の医師会活動を支援している.さらに,新卒医師に対するオリエンテーションに講師を派遣し,保険医療制度を中心に医師会の役割を解説するなど大学にも働きかけ,組織強化を図っている.

部会設立に踏み出す(埼玉県)

 ようやく勤務医問題に関心が高まってきたが,入会金,義務・権利など医師会に対するメリット・デメリット論の段階で部会設立には至ってない.
 全県で勤務医が半数を超えるなかで,平成十年,県医師会に勤務医対策検討委員会が発足した.山口現朗埼玉県医師会理事は,「名簿作成,入会促進パンフなどを作り,部会設立に向け第一歩を踏み出した」と意欲を示した.

勤務医の医師会加入に危機感(千葉県)

 日医会員勤務医割合が最も低く(二四%),部会も設立されていない.
 勤務医問題等検討委員会が行った地区医師会役員に対する勤務医の医師会活動についてのアンケート調査の結果を報告した.
 勤務医の医師会入会促進,入会金免除,会費統一,役員登用,大学医師会設立など今日的課題に対して,少数ではあるが消極的な回答があったとし,荒川直人千葉県医師会理事は勤務医の医師会入会に消極的な役員がいるのを無視できないと述べ,「入会の前段階として準会員扱いも考慮しては」と提案した.

中核病院のオープン化で病診連携推進(徳島県)

 部会設立は昭和五十六年と古く,平成四年に全国勤務医部会連絡協議会を開くなど,医師会の勤務医に対する認識も高い.
 松崎孝世徳島県医師会常任理事は主要中核病院のオープン化により,高額医療機器の共同利用などを通して病診連携を実践していると報告し,「今後の課題は,全国一の医師過密県として勤務医活動をどう展開するかである」と述べた.
 以上,四道県の活動報告から,医師会によって勤務医に対する対応にかなりの温度差があることが明らかになった.

勤務医会費標準化の指針を提示

 最後に,出席者から大学医師会,女性医師の職場環境,看護婦教育について発言があり,討論を行った.
 懸案となっていた勤務医の会費・入会金問題について,西島常任理事から,日医総研および勤務医委員会で検討した結果,「会費標準化の指針が示され,先の都道府県医師会長協議会に提示した」と報告があった.


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