日医ニュース 第926号(平成12年4月5日)
連名で「共同声明」を発表 |
日医をはじめとする医療関係六団体の代表者が,三月十四日,日医会館に集まって,「医療事故防止緊急合同会議」を開催した.
本会議は,昨年一月に発生した横浜市大病院の「患者取り違え手術」以降も,都立広尾病院「消毒液誤注入死亡事故」,京大病院「消毒用液誤注入中毒死」など,重大な医療事故が相次いだことを受け,その具体的な対策を検討することを目的に,日医の呼びかけで急遽開かれたものである.出席者は,坪井栄孝会長はじめ日医役員十三名,石井昌三日本私立医科大学協会長,中山耕作日本病院会長,佐々英達全日本病院協会長,豊田堯日本医療法人協会長(代理・阿部士良副会長),河茂日本精神病院協会長である.
まず,坪井会長は,「一連の医療事故の発生は,われわれにとって,残念かつ耐えがたいことである.二度とこのような事故を繰り返さないためにも,われわれの間で事態の確認を行い,それを踏まえて,今後患者さんが安心できる環境で医療を提供していくにはどういう心構えでやっていけばよいのか,その具体的な方策を出したい」とあいさつした.
つづいて,議事に入り,意見交換の場において,各団体の代表から,それぞれの組織における医療事故対策の現状と今後の見通しなどが述べられた.日医からは,石川高明副会長が,「診療所,病院を問わず,医療従事者の一人ひとりが責任をもって自分の職務を遂行し,さらに,ダブルチェックができるような体制をつくることが大切」であることを述べるなど,活発な議論が展開された.
最後に,各会長連名による「共同声明」(左掲)が確認され,会議後に開かれた記者会見の席上,発表された.
昨年1月に横浜市立大学医学部附属病院の「患者取り違え手術」,翌2月には東京都立広尾病院の「消毒液誤注入」事故があり,甚だ遺憾なことには,その後も医療事故が相次ぐなか,今年2月,京都大学医学部附属病院において「消毒用液誤注入による中毒死」をひき起こした.いずれの事故も絶対にあってはならない事故であり,医療関係者として慚愧の極みである.このため国民の医療に対する信頼感が大きく揺らぎ,今や患者は不安の念を抱きながら医療を受けている事態にある. 医療事故防止緊急合同会議 |