日医ニュース 第929号(平成12年5月20日)

平成10年度
「喫煙と健康問題に関する実態調査」最終報告書
若い女性の喫煙率が上昇


 厚生省は,このたび,平成十年度「喫煙と健康問題に関する実態調査」最終報告書をまとめた.
 これによると,成人喫煙率は,男性で五二・八%,女性で一三・四%.男性は三十代,四十代が高く,女性では二十代,三十代の喫煙率が高くなっている.未成年者の喫煙率は,男性一九・〇%,女性四・三%になっている.
 推計喫煙人口は三千三百六十三万人で,男性が二千六百四十二万人,女性が七百二十一万人であり,未成年者の喫煙者が九十万人以上いることが明らかとなった.
 喫煙者の五四・七%が未成年のうちにたばこを経験しており,一日当たりの喫煙本数は十一〜二十本が最も多い.また,現在喫煙者の二六・七%が「やめたい」と考えている.
 前喫煙者の九一・九%が「吸わない」と考えており,「吸いたい」は二・三%となっている.また,ニコチン依存度の分布をみると,女性に比較して男性の依存度が高く,若いうちに喫煙をはじめるほど依存度が高くなっている.
 たばこ依存症の判定結果をみると,現在喫煙者の五三・九%,すなわち十五歳以上の国民全体で,千八百万人がWHO国際傷害疾病分類によるたばこ依存症であると推計される.
 たばこ対策への取り組みを「望む」と答えた人の割合は,今回掲げたほとんどの対策で過半数を超えているが,現在喫煙者の「望む」割合が低くなっている.


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