日医ニュース 第948号(平成13年3月5日)
「児童虐待」増加続く |
厚生労働省は一月三十日,家庭事情等の理由により,両親から離れて,養護施設等に入所して生活している児童等の実態調査結果を発表した.
五年ごとに行う本調査は,今回は平成十年二月一日に実施され,全国の里親委託児童,養護施設の入所児童,情緒障害児短期治療施設の入所児童,教護院の入所児童,乳児院の入所児童および母子寮の児童並びに保護者を対象にしている.
これによると,養護問題発生理由のうち一般的に「虐待」とされる「放任・怠だ」「虐待・酷使」「棄児」「養育拒否」の合計は,里親委託児で全体の三九・一%(前回三五・四%),養護施設児一九・二%(同一六・〇%),情緒障害児二四・四%(同一五・五%),教護院児三四・六%(同三三・五%),乳児院児一六・六%(同一四・〇%)であり,すべての施設において虐待を理由とした委託および入所が増えており,特に情緒障害児の増加が著しい.
中学三年以上の年長児童の生活行動経験に関する調査では,養護施設と救護院でいじめに関して新たに調査を行ったところ,養護施設では「大勢でいじめた」が二五・九%,「いじめを受けていた」が三五・一%,救護院では「大勢でいじめた」が五二・五%,「いじめを受けていた」が四二・一%となった.