日医ニュース 第956号(平成13年7月5日)

菅谷常任理事語る
「代替調剤は医師の処方権を侵害」


 総務省は,六月八日,厚生労働省に対して,医薬品に関する行政評価・監視結果に基づく勧告を行った.勧告のなかでは,(1)製薬企業等による副作用情報の収集の充実・強化(2)患者への副作用等情報提供の在り方の見直し(3)後発医薬品の有効活用の推進―が挙げられており,特に,(3)では処方せんに先発医薬品の商品名が記載されている場合に,薬剤師が後発医薬品を調剤することを可能とする仕組みを検討することを指摘している.
 これに対して,菅谷忍常任理事は,六月十二日,記者会見を開いて,総務省勧告に対する日医の考えを明らかにした.
「勧告では,医療費抑制のために代替調剤の導入を指摘しているが,これで後発医薬品の使用促進を図ることは論理のすり替えであり,許されない.われわれは後発医薬品を使用するなとはいっておらず,むしろ安全性が確認されさえすれば使ってほしいといっている.現在でも,医師が指示した以外の薬を出してはいけないと薬剤師の義務を法律で明確に規定している.代替調剤の導入は,医師の処方権の侵害であって,われわれは絶対に認めることはできない」として,代替調剤導入論に強く反発した.


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