日医ニュース 第961号(平成13年9月20日)
医療サービスへの満足度9割超す |
内閣府では,一般高齢者を対象に高齢社会対策の施策分野である就業・所得,健康・福祉,学習・社会参加,生活環境等についての意識調査を行う「高齢者対策総合調査」と特定高齢者(諸外国の高齢者,高齢者一人暮らし・高齢者夫婦世帯等)等を対象に高齢者の多様な課題についての意識調査を行う「高齢化問題基礎調査」を計画的に実施している.
平成十二年度においては,高齢化問題基礎調査として,日本の高齢者と諸外国の高齢者の生活意識を把握するため「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」を実施した.本調査は,五年ごとに過去四回行われているが,今回の調査対象国は,日本,アメリカ,韓国,ドイツ,スウェーデン,調査対象者は六十歳以上の男女(施設入所者を除く),調査実施時期は本年の一月から二月となっている.本欄では,健康・福祉に関する事項の主な回答結果を紹介する.
「現在,健康かどうか」についてみると,「健康である」の割合は,日本五二・九%,アメリカ六六・七%,スウェーデン六〇・四%と高くなっている.
「日頃,健康について心がけていること」については,韓国以外の四カ国では,「特になし」が一・二から三・八%と低く,ほとんどの高齢者が健康について何らかの心がけをしていることがわかる.具体的に心がけていることとしては,スウェーデンを除く他の四カ国では,「休養や睡眠を十分とる」(日本六八・七%,アメリカ八七・一%,韓国四二・四%,ドイツ七五・三%)の割合が最も高い.
「『医療サービス』を日頃どのくらい利用するか」についてみると,「利用していない」の割合は,アメリカでは四・八%と低いのに対して,他の四カ国では約二から三割となっている.日本をみてみると,現在の健康状況は他の国に比べて比較的良かったものの,「ほぼ毎日」から「月に一回くらい」の利用者が六〇・二%(アメリカ二三・一%,韓国五〇・二%,ドイツ二九・九%,スウェーデン一三・二%)と,医療サービスの利用頻度が高い.
「『医療サービス』を利用している高齢者が,『医療サービス』についてどのくらい満足しているか」についてみると,「満足している」と「まあ満足している」を合わせた割合は,アメリカ九五・一%,ドイツ九三・一%,スウェーデン九一・〇%,日本九〇・五%,韓国八二・二%となっている.
「介護が必要になった場合に介護を期待する人」については,各国とも「配偶者あるいはパートナー」の割合が最も高く,日本ではそれに続いて「わからない」(一一・二%),「ホームヘルパー等の介護を職業とする人」(一〇・四%)の順となっている.