日医ニュース 第964号(平成13年11月5日)
医療安全提供の10の要点を決定 |
厚生労働省医療安全対策会議ヒューマンエラー部会は,このほど,医療安全に関する標語「医療を安全に提供するための十の要点」を最終決定した.日医からは,医療安全対策会議に小泉明副会長,ヒューマンエラー部会に星北斗常任理事が,それぞれ委員として出席している.
本標語は,医療機関で働くすべての職員を対象としており,医療の安全を確保するために基本となる理念,方針などを,簡潔な表現でまとめたものとなっている.厚生労働省では,各職場で話し合いながら標語を作るプロセスが重要で,あくまで各医療機関が独自の標語を作るための資料であるとしている.
標語を作成するに当たっては,まず,医療機関等における既存標語ならびに先進国や他産業の取り組みについての調査が実施された.その内容を基に医療における安全管理体制の重要ポイントとして,A理念,B患者との関係,C組織的取り組み,D職員間の関係,E職員個人,F人と環境・モノの関係―という六分野が検討された.さらに,この六分野において,特に重要なものとして十項目(1. 安全文化 2. 対話と患者参加 3. 問題解決型アプローチ 4. 規則と手順 5. 職員間のコミュニケーション 6. 危険の予測と合理的な確認 7. 自己の健康管理 8. 技術の活用と工夫 9. 与薬 10. 環境整備)に絞り,これを分かりやすくまとめたのがこの標語である.
標語の具体的内容は,次のとおり.
なお,この標語は,今秋(十一月二十五日から十二月一日)に実施される医療安全推進週間で,全国の医療従事者へ向けた意識啓発のためのポスターやパンフレット,研修テキストなどに掲載され,周知が図られる予定となっている.詳しくは厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)を参照されたい.