日医ニュース 第969号(平成14年1月20日)


ORCAプロジェクト通信(第3回)


ORCAプロジェクトとは

 ORCAプロジェクトとは,各医療現場に標準化されたオンライン診療レセプトシステムを導入し,互換性のある医療情報をやりとりできるようにする日医の計画(ORCA:Online Receipt Computer Advantage)である.このプロジェクトでは,開発したレセプトプログラムやデータベースを,全国の医師,医療機関がだれでも無料で利用・改良できる公開ソフトウェア(オープンソース)の方式をとる.また,ORCA方式のレセコンを標準端末として,情報の交換,蓄積,点数改定データの配信などができる,新しい医療情報ネットワークのインフラとして期待されている.
 このORCAプロジェクトは,昨年11月20日に行われた「日医IT化宣言」の中核を担うプロジェクトでもある.現在は,本年4月の本運用を目指して,全国104カ所の会員医療機関と88社の協力業者に協力してもらい,レセプトプログラム(無床診療所向け)の試験運用が行われている.

本試験運用期間の延長について

 ORCA本運用へ向けた,より確かな検証を行うべく,本試験運用期間を平成14年2月レセプト分まで2カ月間延長させていただいた.この延長期間中に,ネットワークの実証試験,本試験進行の遅い地域(業者)へのORCA導入支援などを行う予定である.
 延長した理由は,機能提供の遅れや特定メーカー製レセコンからのデータ移行,試験進行の地域差などが問題となってきているためである.

評価版プログラムの提供について

 日医会員向け評価版プログラムのダウンロードを受付開始した.詳しくは,ORCAプロジェクトのホームページを見てほしい.このプログラムを利用するためには,Linux(リナックス)のDebian(デビアン)というオープンソースの基本ソフト(OS)を導入したパソコンが必要である.マイクロソフト社のWindowsやアップル社のMacintosh上でダウンロードしても,そのままでは利用できないので注意してほしい.

最近のトピックスと今後の予定

平成13年11月20日 「日医IT化宣言」
平成13年12月17日 会員向け評価版プログラムの受付開始
平成13年12月18日 ORCAホームページに操作マニュアル公開
平成14年1月 労災・自賠への対応
プログラムの完全公開(オープンソース化)
平成14年4月 ORCA本運用開始
平成14年8月 入院への対応(試験運用開始)
電子カルテ開発キットの評価版

ORCA本運用の第一次募集について

 ORCAレセコンの導入は,通常,地元業者から購入してメンテナンス契約をするという,従来のメーカー製レセコンと同じであることは以前に紹介した.本年4月の本運用スタートには,本試験運用の実績を基に,技術力やサポート体制が充実している協力業者のサポート可能地域から,医療機関の第一次募集を開始していくこととなった.現在決まっている地域ならびに業者は,以下の通りである.今後は順次増やしていく予定である.

北海道: JRCエンジニアリング(株)<Tel 0422-45-9661>
 担当:三好(企画調査室)または西尾(技術部)
石川県: (株)石川コンピューターセンター<Tel 076-268-8315>
 担当:金森(医療システム本部)
福井県: (株)石川コンピューターセンター<Tel 076-268-8315>
静岡県: JRCエンジニアリング(株)<Tel 0422-45-9661>
島根県: (株)マツケイ<Tel 0852-32-1630>
 担当:角森(システムサポート課)または四方田(事業企画部)
広島県: (株)ミウラ<Tel 0849-54-5522>
 担当:藤井(第2営業グループ)
ヒロシマシステムサービス(株)<Tel 082-273-7011>
 担当:内田(代表取締役)または藤原(システム企画部)
愛媛県: (株)ピーエスシー<Tel 089-963-4192>
 担当:相原(ネットワーク事業部)

 なお,第一次募集ということもあり,各社でサポート可能地域や扱い件数に限りがあるため,ご了承願いたい.

<ORCAプロジェクトの詳細な情報は下記のホームページで紹介しています>
http://www.orca.med.or.jp/


日医ニュース目次へ