日医ニュース 第969号(平成14年1月20日)
私もひとこと |
福井県医師会における勤務医対策は,全国の医師会のなかでもっとも遅れている状況にあると思っている.
それは,県都にある福井市医師会の定款に,「福井市医師会に入会した者は県医師会のみならず,日医の会員にもならなければならない」という規定が置かれていたことにも起因するのではないかと思う.これは昨年,改正されたように聞いており,このことによって,今後,地域における医師会活動に参加される勤務医会員が増えてくれば幸いである.
昨年四月,県医師会新執行部が発足し,担当理事は,現在,勤務医会員と非会員に対するアンケート調査を実施すべく,調査項目等の検討に取り掛かっている.私は,この調査が多くの勤務医協力のもと,目的どおりの成果が得られ,今後の福井県医師会の勤務医対策の指針となるよう大いに期待しているところである.
一方,遠くない将来,医師においても歯科医師のように急増問題が起こってくるのではないかと予想される今日,その当事者となるであろう若い勤務医が,ただ,私たちは専門医志向で自分の道を極めれば幸せになれる,「開業医集団の医師会なんて関係ない」と思っておられては困る.
今日のように経済が停滞し,社会保障制度も財政優先の諸施策が講じられようとしている状況においては,開業医も勤務医も一体となって医師会主導において,国民によりよい医療を提供していこうという気構えで臨んでいかなければ,医師という専門職の将来はないと考えている.